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【WORLD PC EXPO 2000 Vol.8】PCI SIGエグゼクティブディレクターにPCIバスの現状を聞く

2000年10月17日 22時04分更新

文● 編集部 佐々木千之

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開催中のWORLD PC EXPOにおいて、PCIバス仕様の規格策定と管理を行なう業界団体“PCI Special Interest Group”のエグゼクティブディレクターであるリチャード・ベック(Rechard Baek)氏にインタビューする機会を得て、PCIバス規格の現状について話を伺った。

PCI SIG、エグゼクティブディレクターのリチャード・ベック氏

PSI SIGは、世界の940社が加盟する業界団体。日本からは180社が参加している。最近の規格ではノートパソコン向けの“Mini PCI”や省スペースパソコン向けの“Low-Profile PCI”を策定。この6月にも次世代のPCIバス規格となる“PCI-X”と“PCI Hot-Plug revision1.1”を発表している。「特にLow-Profile PCI規格は、日本企業からの『省スペースデスクトップのための小型のPCIバス規格がほしい』という要望に応えて策定された」(ベック氏)という。

'92年の最初のPCIバス規格ではチップに使われるプロセスは1μmプロセスのものが多く電源規格も5Vとなっていたが、チップのプロセス技術が微細化するにつれ、3.3Vと5V両対応のものに移行し、現在はほぼ3.3Vのものに統一されているという。デスクトップとサーバー用としてはPCI2.2規格が使われてきたが、今後はPCI-X規格がサーバー用途から浸透し、デスクトップパソコンのハイエンド機にも採用が進む。また、昨年規格化されたノートパソコン用のMini PCIは、急速に普及が進んでおり、将来は超小型のデスクトップパソコンにも採用される見通しとしている。

PCI-X規格はこれから本格的普及期に入るGigabit EthernetやFibre Channel、Ultra 160 SCSIといった高速なI/Oを必要とするカードに最適という。またグラフィックカードとしても、「ディスプレーに出力するだけであればAGPはよい技術だが、高画質のビデオキャプチャーをするなど、入力としても使おうとすると問題がある。その点PCI-Xなら、ディスクI/Oに近くオーバーヘッドが少ないというメリットがある」と、AGPに対する優位点を強調した。

Mini PCIについては、ノートパソコンのような“クローズドボックス”システムに対してデータ通信機能を追加したい時に、システム全体をアップグレードしなくてもよいように、と開発されたもの。現在TYPE I(フル規格のもの)、II(バリュー価格のシステム向け)、III(より薄いシステム向け)という3種類の形状のものが規格化されており、多くのノートパソコンメーカーが採用しているという。

現在PCI SIGは、米国、台湾、日本でデベロッパー向けカンファレンスやテクニカルセミナー、互換性を確認するためのハードウェア互換性テストプログラムを年数回開催しており、17、18日にも、東京でハードウェア互換性テストプログラムが開催中という。

今後もPCI SIGは“ハイパフォーマンスI/O”、“モバイルプラットフォーム”、“スリムデスクトップ/ラックマウントフォームファクター”向けに、各企業からの要望を取り入れつつPCIバスの改良を続けていくとしている。

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