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3Com、世界規模のアンケートを実施

2000年10月05日 23時37分更新

文● 編集部 小磯大介

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スリーコムジャパン(株)(以下3Com)は5日、都内で記者発表会を開き、全世界の人々を対象にしたアンケート“Planet Project”(プラネットプロジェクト)を実施すると発表した。アンケートへの参加者募集は、同プロジェクトの公式ウェブサイト(http://www.planetproject.com/)で即日開始する。アンケートの実施期間は11月15日~18日までの4日間。“Your Voice, Your World”(みんなの声、みんなの世界)を合言葉に、同社は世界規模で広くアンケートへの参加を呼びかける。また、集まったデータは分析し、公開する。

3Com創業以来の大プロジェクト

Planet Projectを発表した3Comの土本良司代表取締役社長は、同プロジェクトの目的について説明した。「インターネットを介して、国籍/人種/性別を問わず、世界中の人々から意見を集められる。また、その意見をデータ化して公開することで、誰でも、他の国の人がどのように考えているのか分かるようになる」という。今回のプロジェクトが、同社にとって、創業以来最大のプロジェクトであると強調した同氏は、「インターネットに接続できる/できないという差から生まれるデジタルデバイド(※1)。これに、インターネットを利用した、かつてない世界的な規模の行動であるPlanet Projectが、世界の目を向けさせるきっかけにしたい」と結んだ。

※1 デジタルデバイド(Digital Divide):情報格差と和訳される。インターネットに接続して、情報に触れられる人間と、そうでない人間の間で、経済的な格差が生まれる現象のこと

土本氏

同プロジェクトでは、公式サイト上で、世界中の人々に“宗教、信条、不安”“恋愛、性”“法律、秩序”など、8区分にわたって合計80問の質問が出される。言語は、英語、ドイツ語、日本語などの8ヵ国語のなかから選択可能だ。質問は、「元に戻れない前提で、別の人種に替わる気持ちはありますか?」「これからの人生の中で1つだけ思い通りに変えられるものがあるとすれば、何を変えますか?」など。アンケート集計結果は、メールやウェブサイトの形で参加者にフィードバックされる。

インターネットに接続できない、アマゾンの奥地やヒマラヤなどの地域に住む人々。このような人々に対しては、ノートパソコンやPalm端末を携えたボランティア“プラネットポールスター”が、直接彼ら彼女らの元を訪れる。そして、アンケートに参加するよう呼びかけるという。総勢2500名以上のプラネットポールスターが、世界各地、500箇所以上を訪れる予定だ。ただし、情報の開示はインターネット上のみで行なわれるため、プラネットポールスターに協力した、インターネット接続環境のない人々は集計結果を参照できない。

データ、という側面から見た場合、オンラインとプラネットポールスターによるアンケートによる世界的なアンケートを実施する意義は2つ。1つめは、世界規模で、各地の人々が何を考えているのかが分かり、世界共通の基礎資料を得られる。2つめは、インターネットを利用している人々と、インターネットを利用していない人々との間で、考え方にどれくらいの差があるか判明する。これらにより今後、何らかの調査をするにあたり、世界のどことどこを調査すればいいのかの目安ができるという。

Planet Projectのロゴ

“世界最大のアンケート”を実施する力

3Comでは、同プロジェクトの実施にあたり、国際調査会社の米ハリス・インタラクティブ社(Harris Interactive)や、米サン・マイクロシステムズ社(Sun Microsystems)、米オラクル社(Oracle Corporation)、米マクロメディア社(Macromedia)、米AT&T社などと協力。サーバーは、サン・マイクロシステムズが53台用意し、データ解析の技術やソフトはハリス・インタラクティブが提供する。ただし、期間中、最大どれだけのアクセスに耐えられるかについては、「具体的な数字は言えない」(土本氏)と、回答を避けた。また、目標とする参加者数についても、「かつてない規模で行なわれるプロジェクトだけに、具体的な数値目標は出せない」とした。

3Comの技術力を示す、世界規模の販促活動なのか、という問いに対して土本氏は「目的は、デジタルデバイドへの問題提起であり、プロジェクトそのものをビジネスにしようとは思っていない」という。しかし、「3Comと教育機関との結びつきは強い」とし、同プロジェクトに参加した教育機関に対し、同社のネットワークシステム製品や、技術者教育用プログラム製品を販売する可能性は示唆した。

3Comでは開始に向け、積極的な広報活動を行なっていくという。期間中は、JR渋谷駅前のビル“Q-Front”に、専用の端末5台を設置して、参加を呼びかける。

なお、期間中、Planet Projectと並行して、13~20歳の学生向けアンケート“学生アンダーグラウンド”(Student Underground)も実施される。こちらでは、「あなたの国の政治家は、あなたの国の一般的な国民に比べて、どれくらい正直だと思いますか?」など、学生向けの質問が行なわれるという。同社では、世界的に学生がお互いの意見を確認し合える学生アンダーグラウンドについても、Planet Projectと同様の広報活動を展開する予定だ。

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