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アイ・ブロードキャスト、携帯電話向けライブ画像配信システムを発表

2000年10月05日 22時11分更新

文● 編集部 佐々木千之

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画像配信システム開発を手がけるアイ・ブロードキャスト(株)は5日、インターネット接続が可能な携帯電話に対してリアルタイムに静止画像を配信するシステム『snap eye(スナップアイ)』を発表した。1サーバーとカメラ5台のシステムで221万5000円。代理店を通じて本日から販売される。

アイ・ブロードキャスト代表取締役社長兼CEOの上田拓右氏

snap eyeは、Linuxが稼働するPCサーバーにシステムソフトをインストールした“snap eye server”と専用カメラから構成される画像配信システム。専用カメラからのライブ画像を、携帯電話に対しては静止画、パソコンに対しては毎秒1~3フレームの動画で配信する。端末からはまず、snap eye serverのウェブサーバーに対してアクセスする形となる。

snap eye server上のウェブサーバーでは、接続されているカメラの選択と、そのカメラのアングルのコントロールが行なえる。カメラのコントロールは、カーソルキーのように動かしたい向きにボタンを押し続けるのではなく、サーバー側であらかじめ設定されたいくつかのアングルをテンキーで選択する(0~9の10種類)方式。これはサーバーと端末間のデータ量を少なくするための措置という。

snap eye serverに接続する専用カメラ

ウェブブラウザーを通じてコントロールできる、いわゆる“ウェブカメラ”においては、複数の端末からのリクエストがあった場合、カメラのコントロールの取り合いとなるが、snap eye serverでは、数秒といった短時間に複数の端末からリクエストがあった場合に、1つだけのリクエストに応えるのではなく、その複数の端末に同じ画像を配信するなど、アクセスの集中に対する対策をとっているという。

携帯電話を使って画像を表示させたところ。左がNTTドコモのスーパードッチーモ端末、右がauのcdmaOne端末

また、インターネット対応携帯電話といっても、カラーの色数やモノクロの階調、あるいはディスプレーのサイズなどさまざまだで、表示可能な画像フォーマットもキャリアーにより異なる状況となっている。snap eye serverでは、アクセスしてくる端末の機種に応じて、カメラから得られた画像のフォーマット変換を行ない、最適化して配信する仕組みとなっている。新端末が登場した場合でも、snap eye serverがアイ・ブロードキャストのサーバーと通信を行なう仕組みを持っており、これによってアップデートが可能という。

snap eye serverにパソコンでアクセスした例。画像は渋谷で、カメラとはISDN回線(64kbps)により接続していた

主な処理をすべてサーバー側に任せることで、snap eye serverとカメラ間の接続は64kbps程度の通信速度があれば十分で、離れた場所に設置する場合でもISDNを使った安価なシステムが構築できるとしている。

価格は、snap eye serverがカメラ5台までのエントリーバージョンで134万円、20台までのレギュラーバージョンで157万円、30台までのマックスバージョンが168万円、専用カメラは1台あたり17万5000円となっている。

このシステムは同社の販売代理店である、丸紅設備(株)、NTT情報開発(株)などを通じて提供され、初年度5億円の売り上げを目指すとしている。具体的な用途として、スキー場にカメラを設置し、降雪情報を画像で配信するサービスや、インターネット連動のラジオ番組で、スタジオの模様をリスナーが見ることができるシステム、個人宅向けのリモート監視システムとして納入される予定があるという。

これまでインターネットを通じた画像配信サービスというと、データ量の問題からパソコンを対象にしたものが多かったが、携帯電話に対する画像配信を効率化する機能を備えたことで、携帯電話向け画像サービスが現実的なものになった。このsnap eyeの登場により、さまざまな画像サービスの登場が期待される。

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