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【CEATEC 2000 Vol.6】SDメモリーカードとネットワークに注力~松下編~

2000年10月04日 00時58分更新

文● 浅野純也

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松下電器産業(株)のブースには昨年に続きSDメモリーカード関連の展示が目立った。もっとも昨年は製品が1つもなかったが、今年はファミリー化が少しずつ進みつつあり、携帯オーディオプレーヤーや電子メール端末、DVカムコーダー、デジカメなどが展示された。

256MBの大容量SDメモリーカードを使ったMPEG-1ビデオの再生デモ。転送速度が速いSDカードならではのデモ。大容量カードは来年以降発売される予定だ
SDメモリーカードスロットを持つICレコーダーとケータイ
プロジェクターやデジカメ、BSデジタルチューナーにもSDカードスロットが載る。ファミリー化の構想は確実に広がっている
SDカードスロット搭載デジカメ
SDカードスロット搭載BSデジタルチューナー
現在モニター試験が行なわれているPHSを使った音楽配信のモニターキット。中央の端末で受信したデータをSDメモリーカードに記録、SDオーディオプレーヤーで再生する仕組み
IMT-2000対応のSDカードケータイからPCに映像を転送するデモ

新しい機器として注目なのが『デジタルハードディスクレコーダ』だ。HDDレコーダーはすでにソニーが製品化しているが、こちらはBSデジタルハイビジョンに対応しているのが特徴だ。そのため最大ビットレートは23Mbpsを超える。内蔵するHDDは自社で開発したIEEE1394対応のAV用HDD。現時点でどれくらいのサイズのHDDが載せられるかは未定だが、発売時点で最大サイズのものが採用されるという。i.LINKによるネットワークを想定、増設用HDDもi.LINK経由で接続するという。製品化は来年第1四半期を予定している。

AV用HDDを使ったハイビジョン対応ビデオレコーダー。DVDレコーダーを含め、従来のレコーダーの2倍を超えるクオリティーでの録画が可能になる
ビデオレコーダーの増設用HDD。3.5インチのHDDを入れた筐体をi.LINKで接続することで記録時間を延ばすことができる。家電としては思い切ったコンセプトだ

来年末のサービス開始が予定されている110度CSによるデジタル放送(現行のBSと同じ位置に衛星が位置するためアンテナを共用でき、普及が期待されている)をにらんだ端末のモックアップが展示されていた。データ放送をメインに考えられており、HDDを内蔵、いわゆる“蓄積型サービス”を重視している。つまり受信したデータをそのままHDDに記録して、リアルタイムでなくてもサービスを利用することができる。双方向のサービスを考慮してキーボードも備えるものになる模様だ。松下はこの端末『eプラットホーム』をソニーと東芝と協力して開発する予定だ。

110度CS用サービスに対応した“eプラットホーム”用端末のモックアップ。チューナー自体は現行のBSデジタル放送のものと同じだが、大きさは同等になるという。手前のキーボードも一般家庭での利用を考慮したものになる

DOLBY DIGITALなどのサラウンド音場をリアルに再生するヘッドフォンも注目を浴びていた。人それぞれに耳のかたちが違ったりして聞こえ方が違うため、従来の密閉型ではなく耳から距離を離してスピーカーを鳴らすことでその差を均一化するのが特徴。ヘッドフォンでは頭の中で聞こえるようなイメージがあるが、この場合は実際に前や後ろから音が聞こえる。片耳あたり3つのスピーカーを内蔵。うち2つずつを使ってサラウンドを再生を行なう(残りの1組はマルチチャンネルのDVDオーディオ再生時に使う)。サラウンド音場はDSPにより独自のものを利用するが、これは実際にマルチチャンネルのオーサリングが行なわれるスタジオを再現しているという。来年春の製品化を予定している。

サラウンド音響再生ヘッドフォン。片耳3つずつのスピーカーを内蔵する。手前の大きなスピーカーの陰に小さく見えるのはDVDオーディオ用。DSP本体ではDTSやDOLBY DIGITALの信号を独自音場に変換する
ヘッドフォンのアップ
DSP本体

ホームネットワークを狙った製品にも力が入っていた。ひとつはISDNやCATV向けにルーティングするゲートウェイルーター。電話線を使うHomePNA用アダプターも展示された。もうひとつは電灯線を使う『エコーネット』。現時点では機器のオンオフやエアコンの温度制御など簡単な制御ができる程度だが、電灯線を使う手軽さがポイント。使用電力をリアルタイムで監視するモニターや、エコーネット非対応機器を制御するためのアダプター(コンセントにつなぐ)、赤外線リモコンなどが展示された。

家庭内ネットワークを狙う『ゲートウェイステーション』。いわば家庭用ルーター。ISDNやCATVなどの基幹線を家庭内に分配する。電話線を使うネットワーク“HomePNA”用アダプターも用意されている
こういったかたちで接続される
電灯線を使う“エコーネット”に対応した機器も展示された。奥は電力の使用量をリアルタイムでモニターできる『監視モニター』。手前は機器をコントロールためのアダプター。このアダプターを介してコンセントに接続すると、電源のオンオフなどの制御ができる
注目の無線規格“Bluetooth”機器も展示された。手前はモジュール内蔵ケータイ。奥は左右セパレートのヘッドセット。ケーブルの着脱ができ通常はヒモ付きでも使用できる
アンテナと表示部をわけたGPS機器のモックアップも並べられた
次世代ケータイやPDA、DVカムコーダーもBluetoothに対応する模様だ。いずれもモックアップ
PCカードスロットに装着したBluetoothカード同士でビデオ会議をするデモ。Bluetoothでは最大8台までの会議ができる

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