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UIS、ストリーム動画配信サービスを開始

2000年09月26日 19時39分更新

文● 編集部 小磯大介

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日本ユニシス(株)の100%子会社で、インターネットを中心としたソフト事業を展開している日本ユニシス情報システム(株)(以下UIS)は26日、都内で記者発表会を開き、新サービスの発表をおこなった。同社は、ストリーム映像から静止画を抽出できる機能をもったストリームビデオ配信サービス“高機能ストリーミング・ビデオ・サービス”を10月11日に開始する。

発表会では、同社のe-システムサポート部部長である佐伯親政氏が、同サービスの概要について説明した。

佐伯氏

“高機能ストリーミング・ビデオ・サービス”とは

高機能ストリーミング・ビデオ・サービスの特徴は、ストリーム動画の配信中に、一時停止やコマ送り、コマ戻しとった操作ができる点。必要なコマを静止画として取り出したり、そのコマ(静止画)を拡大縮小、保存、印刷することも可能だ。また、28.8/56/100kbpsの回線速度に対応できるため、回線速度の影響を受けにくいのも特徴である。

同サービスの導入に当たって、同社は、ストリームに関連したソフト製作会社である米SeeItFirst.com社(以下SeeItFirst)と提携。SeeItFirstの開発した、ストリーム動画と同期した静止画を用意する技術を、日本では、はじめて導入した。SeeItFirstのストリーム動画エンコードソフトは、もともとの動画ファイル(AVI形式など)から、28.8/56/100kbpsの各回線速度にあわせた、Windows標準の動画プレーヤー『Windows Media Player』用のASF(Advanced Streaming Format)形式のストリーム動画を3種類作成する。そして同時に、動画のフレーム数に合わせて、数フレームに1コマの割合で、もともとの動画から独自の“Sif形式”静止画ファイルを作成。3種類のストリーム動画はWMS(Windows Media Server)に、Sif形式の静止画像は“Sifサーバー”へ保存し、動画を配信しながら常に静止画を用意しておくことで、ストリーム動画と静止画の同時配信ができるという仕組みだ。

UISでは、この2サーバーを、同社の運営するサーバーホスティング施設“東京IDC(Internet Data Center)”に置き、クライアントに対して、WMSとSifサーバーのホスティングビジネスを展開する。

動画の解像度は320×240ピクセルで、Sif形式の静止画も同解像度。静止画は最大3倍にまで拡大して表示/保存/印刷できるが、その場合はもちろん、画像が粗くなる。なお、各回線速度ごとのフレーム数や、何フレームごとにSifファイルを作成するのかといった部分については「国内で申請中の特許に触れる部分」(佐伯氏)だとして、具体的な数字は発表されなかった。

同社では、このサービスを、インターネットを利用したコマーシャルや、遠隔教育などに利用できるとして市場にアピールしていくという。また、同サービスでは、ウェブサイト上で、動画と同期した文字情報や画像を配信できるため、これを利用した、インターネット通販などもターゲットにしているという。料金は、30秒のストリーム動画のホスティングをおこなう場合、エンコード料金が10万円で、ホスティング料金が4万円/月。同社では、今後3年間で30億円の売り上げを計画しているとのこと。

「ストリーム動画のトータルサービスを」

同サービスのほか、UISでは以下のサービスも合わせて提供する。

  • インターネット・ライブ・ホスティング・サービス”:ビデオカメラで撮影したライブ動画をウェブで配信するためのストリームサーバーホスティングサービス
  • ビデオ・オン・デマンド・サービス”:ビデオカセットテープなどに保存されたビデオ情報を、ASFフォーマットに変換してWMSに保存し、オンデマンドで配信するサービス

佐伯氏は「この3つで、ストリームビデオのトータルなサービスをクライアントに提供していく」と、同サービスについて自信を覗かせた。なお、ライブ動画でも高機能ストリーミング・ビデオ・サービスを提供する予定があるのかについては「SeeItFirstで、商品化に向けて努力中」だとしている。モバイル端末への配信についても検討中だとした。

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