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【IDF-J 2000 Fall レポート Vol.2】企業向けIEEE802.11b対応製品を発表

2000年09月20日 00時32分更新

文● 編集部 佐々木千之

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インテル(株)は19日、開催中のインテル・デベロッパ・フォーラム 2000 Fall Japanにおいて、IEEE802.11bに準拠した無線LAN製品『インテルPRO/Wireless 2011 LAN PC Card』と『インテルPRO/Wireless 2011 LAN Access Point』を発表した。価格はPC Cardが2万1900円、Access Pointが10万9900円で、11月1日に出荷予定。

『インテルPRO/Wireless 2011 LAN Access Point』
『インテルPRO/Wireless 2011 LAN PC Card』

IEEE802.11b準拠の無線LAN製品市場は、現在日本でも多数の企業が参入している。インテルPRO/Wireless 2011 LANシリーズ製品は、こうした状況でかなり後発となり、またPCカードで2万円を切る製品が多い中で、価格面ではアピールしづらい。しかし、インテルでは企業に向け製品という位置づけから、無線LAN製品の標準化を行なう非営利団体WECA(Wireless Ethernet Compatibility Alliance)による互換性テストにパスし、“Wi-Fi”ロゴを取得、さらにSNMP(※1)に対応した管理機能の搭載、ワイヤレスVoIPやモバイルIPのサポート、40bitと128bitWEPによる暗号化と、機能を充実させている。またドライバーソフトもWindows 95/98/Me/2000に加えて、Linux、Windows CE、MacOS、PalmOSと多くのプラットフォームをサポートしている。ドライバーソフトも、電波の出力を弱くして消費電力を抑える機能を備えるなど、特徴のあるものとなっている。

※1 Simple Network Management Protocol:ネットワーク機器の管理のために使用されるプロトコルで、広く普及している。

Access Pointも、同様の管理機能を備え、ウェブブラウザーを使った設定・管理機能もサポートする。これらの付加価値によって、企業向けとして競合する、シスコシステムズの“Aironetシリーズ”などに対抗する考えだ。さらに、この製品では外部インターフェースは10BASE-Tのみだが、今後はダイヤルアップルーターの機能を備えるものも計画しているという。

なお、インテルPRO/Wireless 2011 LANシリーズは、米インテルと米シンボルテクノロジーズ社が2月に発表した、ワイヤレスネットワーク機器の共同開発に関する合意に従い、両社の協業のもとに開発された製品。この合意には、今回発表されたような2.4GHz帯域を使用するIEEE802.11b製品のみならず、5.2GHz帯域を使用し、通信速度が最大54Mbpsに達するというIEEE802.11a製品の開発も含まれている。インテルはシンボルテクノロジーに対して1億ドル(約107億円)の出資を行なっている。

米インテル、ワイヤレスLAN事業部プロダクトマーケティングマネージャーのヘンドリック・フォン・デ・ミア(Hendrik van der Meer)氏

インテルは7月に開催されたWireless Japanの同社ブースにおいて、今回発表された製品と共に、『AnyPoint Wireless Home Network』という、データ転送速度が1.6MbpsのHomeRF規格に準拠した無線ネットワーク製品を展示し、2製品とも年内発表予定としていた。今回発表されなかったAnyPointについて確認したところ、日本での認証作業の遅れから発表時期がずれたことを明らかにした。具体的な発表時期は不明。インテルでは、PRO/Wirelessは企業向け、AnyPointは家庭向けとはっきりセグメント分けを行なっており、AnyPointでは価格も半分以下に抑えたいとしている。

今回インテルが無線LAN製品第1弾から、これほどの細かなサポートを行なってきたことは、インテルのこの市場に対する本気を感じさせる。IEEE802.11bでは後発となったが、来年あたり登場するであろうIEEE802.11a製品では、もっと早いタイミングでの投入も十分ありそうだ。

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