マイクロソフト(株)は18日、同社が年末までに発売する最新ゲームソフトおよびゲーム関連ハードウェアを報道関係者向けに紹介する“Microsoft Gamestock in Japan”を同社内で開催した。
Gamestockで紹介された12月発売のフライトシミュレーター『Microsoft Combat Flight Simulator 2』画面 |
同社の最新ゲーム製品を紹介するための場であるGamestockは、米本社で毎年春開催されているが、今回初めて日本でも行なわれることとなった。同社は、今後Gamestockを米国では春に、日本では同年秋にそれぞれ定期的に開催するとしている。
今回のGamestockでは、現在開発中であるエアコンバットシミュレーター『Microsoft Combat Flight Simulator 2』、3Dレーシングゲーム『Microsoft Midtown Madness 2』、『Microsoft Crimson Skies』の3製品をはじめ、ゲームコントローラー新製品、既に発表されている『Microsoft Age of Empires II:The Conquerors Expansion』(9月22日発売)などが紹介された。
12月発売の最新ゲーム3タイトルを紹介
『Flight Simulator』シリーズは、シリーズ18年目に突入した同社のベストセラー製品。最新版となる『Microsoft Combat Flight Simulator 2』は、'98年に発売されたエアコンバットシミュレーター『Combat Flight Simulator』の第2弾。舞台は太平洋戦争で、プレイヤーは、米国か日本の軍人となり、“三菱 A6M2 零式艦上戦闘機”、“三菱 A6M5 零式艦上戦闘機”、“川西 N1K2-J 局地戦闘機 紫電改”、“ロッキードP-38F ライトニング”、“ボートF4U-1A コルセア”、“グラマンF4F-4 ワイルドキャット”、“グラマンF6F-3 ヘルキャット”といった戦闘機を操縦できる。コクピット内を詳細に再現しているほか、景観にも力を入れたという。
『Microsoft Combat Flight Simulator 2』パッケージ |
『Microsoft Midtown Madness 2』は、サンフランシスコとロンドンを舞台とした3Dレーシングゲーム。“ニューミニクーパー”や“アウディ TT”、2階建てロンドンバスや消防車など20車種から好きな車を選択し、画面上に再現された2つの都市の街並みを走り回ることが可能。霧の中を走ったり、地下道を通ったり、街灯などを破壊しながら走ったりと自由に走り回ることが可能。
『Microsoft Midtown Madness 2』画面 |
『Microsoft Midtown Madness 2』パッケージ |
『Microsoft Crimson Skies』は、'37年の世界大恐慌時代の米国を舞台にしたアクションシューティングゲーム。プレイヤーは、エアパイレーツ(航空海賊)である主人公“ネイサン・ザッカリー”となり、戦闘機に乗り込んで財宝を探したり、行方不明者を捜索したりといったさまざまな24のミッションをクリアしていく。同製品はフライトシミュレーターではなく、地上に近い所を飛んだり、建物をくぐり抜けたりといったエンターテインメント性を重視したもの。選択できる戦闘機は11機種で、、第一次大戦のドイツや日本のプロトタイプ戦闘機をベースに改良を施したものとなっている。
『Microsoft Crimson Skies』画面 |
『Microsoft Crimson Skies』パッケージ |
上記3製品はいずれも開発中で12月発売予定。発売日や推定小売価格、必要システム等の詳細は後日正式発表するという。これらの3製品は、9月22日から行なわれる“東京ゲームショウ2000 秋”で一般向けに初公開される。
ゲームコントローラー4製品を発売
『Microsoft SideWinder Strategic Commander』は、戦略シミュレーションゲーム向けコントローラー。左手で操作するゲームコントローラーで、マウスやキーボードを併用できる。本体には6つのボタンと3つのシフトボタンを装備しており、それぞれにゲームのコマンド(キー操作)を割り当てることが可能。ボタン機能を3段階まで切り替え可能な“プロファイルスイッチ”も備えており、合計72種類のキー操作をそれぞれのボタンに登録できる。また、“レコードボタン”を利用して、ゲーム中のキー操作を記録し、ボタンに登録することも可能。
『Microsoft SideWinder Strategic Commander』 |
『Microsoft SideWinder Strategic Commander』を利用して左手でコマンド入力を行ない、右手のマウスでカーソルを移動させるといった操作が可能 |
『Microsoft SideWinder Force Feedback 2』は、フライトシミュレーターや戦闘ゲーム向けジョイスティック。内蔵モーターの力を既存製品と比較して1.5倍にし、フォースフィードバック効果をさらに高めたという。機能をカスタマイズできる8つの“アクションボタン”と、8方向入力可能な“ハットスイッチ”を装備する。
『Microsoft SideWinder Force Feedback 2』 |
『Microsoft SideWinder Precision 2』は、従来製品『Microsoft SideWinder Precision Pro』からフォースフィードバック機能を除いたジョイスティック製品。『Microsoft SideWinder Joystick』は、従来製品『Microsoft SideWinder』の後継となる小型のジョイスティック製品。
『Microsoft SideWinder Precision 2』 |
『Microsoft SideWinder Joystick』 |
上記4製品とも10月27日発売。価格はオープンプライスで、推定小売価格は、Strategic Commanderが7800円、Force Feedback 2が1万2800円、Precision 2が6800円、Joystickが3800円。これらのコントローラー製品も、東京ゲームショウ2000 秋で一般に初公開される。
2001年にはトレインシミュレーターも
また同社は、2001年発売のタイトルとして、
ゴルフゲーム『Microsoft Links 2001』と、トレインシミュレーター『Microsoft Train Simulator』を紹介した。
『Microsoft Links 2001』は、同社ゴルフゲームシリーズの最新版。新グラフィックレンダリングエンジンを採用し、コースの景観を向上させ臨場感を高めている。プロゴルファーは3人登場し、コースは、アーノルドパーマーが監修したコースを中心に5コース収録。“コースエディター”機能でコースを作成したり、同社ウェブサイトからオプションのコースをダウンロードしたりしてコースを追加できる。
『Microsoft Train Simulator』は、列車を操縦できるトレインシミュレーター。蒸気機関車や高速鉄道など、世界の6つの実在する路線を収録。日本の路線では、東京都市部を走る小田急線と、景観が美しいことで有名な九州の肥薩線の2線が収録されている。Flight Simulatorと同じくオープンアーキテクチャーを採用しており、専用エディターで新しい路線や列車データを作成できる。
『Microsoft Train Simulator』 |
Gamestockでプレゼンテーションを行なった米マイクロソフト社ゲーム製品事業部グループプロダクトマネージャーのPeter Parsons(ピーター・パーソン)氏は、「マイクロソフトにとってゲームは重要な事業の1つ。ゲーム開発だけを行なうゲーム専門事業部を設立し、幅広くエキスパートを募集する。目標は、われわれのゲームを
米マイクロソフト社ゲーム製品事業部グループプロダクトマネージャーのPeter Parsons氏 |
ゲーム界のリーダーとすること。ゲームメーカーのように2000タイトルも持っているわけではないが、限定された質の高い製品に努力を結集し、すばらしいといわれるような厳選された製品を提供していく」
「開発方針としては、技術的にすぐれた世界各国の開発会社に投資し、パートナー関係を確立していく。開発者に積極的な先行投資をしていいゲームを開発できるようにしたい。社内開発チームも増強する。家族全員が楽しめるような、魅力あるゲームを作っていく」と語った。
また同氏は、X-box用のタイトルについて、「PC用タイトルと同時並行で現在開発している」とし、「PC用タイトルとX-box用タイトルはまったく違うものになる。X-box用タイトルはみんなで楽しめる居間用ゲーム、PC用タイトルは専門的にやる部屋用ゲームだ」と説明した。
挨拶に立った同社パーソナルシステム事業部ホーム&リテール製品部部長の高橋克之氏は、日本のPCゲーム市場について「PCゲーム市場全体はあまり好調ではないが、マイクロソフト自体のゲーム事業は好調。その背景として、いいものを厳選して開発し、送り出していることが功を奏していると思う。今後のゲーム市場については、長い目で見ればプラットフォームの差別化がなくなっていく方向にいくと思うが、現段階では見極めは難しい」と語った。 |
『Age of Empires』シリーズのデザイナーとして有名な米Ensemble Studios社シニアデザイナーのBruce Shelley(ブルース・シェリー)氏。『Microsoft Age of Empires II:The Conquerors Expansion』について「今回の拡張パックでは文明を5つ増やしたほか、ユニットや文明固有のテクノロジーなどコンテンツを豊富にしている。また、いくつかの文明は強すぎるとの意見があったので、ゲーム全体のバランスをよくした。特に日本の文明は弱かったので、武士の攻撃力を上げるなど競争力を高めている」と説明した。 |