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【Apple Expo Paris 2000 Vol.2】基調講演速報!! 新しいiBookラインを発表!!

2000年09月13日 20時09分更新

文● 林 信行

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スティーブ・ジョブズによるMACWORLD EXPO基調講演が行なわれた。今回の目玉はなんといってもMac OS X公開ベーター版の配布開始、のはずであった。スティーブ・ジョブズの講演はいつもどおり「今日は話すことがたくさんある」という言葉で始まり、例によって観客を少しづつじらしながら、まずは最新ハードウェアラインアップの紹介から始まった。

RADEONをBTOのオプションとして用意

今回の講演、最初の新発表はPower Mac G4を紹介している最中に行なわれた。加ATI社の最新GPU(Graphic Processor Unit)であるRADEONが米国価格、100ドル(日本では1万2000円)BTOのオプション用意されたのだ。スティーブ・ジョブズはRADEONを搭載したPowerMac G4であれば、これまでのRAGE 128 Proに比べて2倍のパフォーマンスが発揮できるとして、両ビデオチップを搭載したPower Mac G4でQuake 3 Arenaを使った比較デモンストレーションを行なった。

スティーブ・ジョブズはPower Mac G4とPower Mac G4 Cubeで加ATI社が開発した現在最速のビデオチップ、RADEONの搭載をBTOオプションとして用意した。価格は米100ドル/日本では1万2800円

ジョブズはまた続いて紹介したPower Mac G4 Cubeに関しても同GPUのBTOオプションを用意することを発表した。なお、ジョブズは現在作成中のPower Mac G4 Cube用TVコマーシャルの候補2つを見せて、どちらが気に入るかを観客に尋ねた。

ジョブズは制作中のPower Mac G4 Cube用のTVコマーシャルの最終候補2つを披露。ジミー・ヘンドリクスのPurple Hazeにあわせて「Super Fast」、「Super Small」、「Super Computer」というナレーションが入る1つめの広告は評判が悪かった

デスクトップモデルの紹介が一通り終わった後、ジョブズはiBookに触れ、「今日は同機に関しての新発表を行なう」と切り出した。

Key Lime(キーライム)色のiBook

「これまでiBookユーザーが一番ほしがっていた機能は何か?」とジョブズ。

「FireWire」と会場は答える。「そう、我々は新iBookにFireWireポートを搭載した。さて、われわれの間では新モデルを発表するときは必ず新色を用意するのが習慣となってきた」。ジョブズがこう語ると会場内はどよめいた。

ジョブズが紹介した新iBookの色は最新iMacと同じIndigo、そしてまったく新しい色のKey Lime(黄緑色)だった。なお、Key Lime(キーライム)色のモデルはApple Store*を通してのみ販売される。なお、新iBookに関してApple Storeでは“256K on-chip L2 cache”と記されている。これはPowerPC 750cxが採用されていることを示している

iBookにはFireWireポートがついて、新色Key Limeが追加された。国内販売価格は17万8000円

続いてジョブズはiBook Special Editionも新しくなったことを告げた。

新iBook Special Editionには、iBookユーザーが2番目にほしがっていた機能が搭載される。「iBookユーザーが2番目にほしがっていた機能は何か?」ジョブズがこう問いかけると、会場からは「DVD-ROM」という答えが返ってきた。「そう」、ジョブズはうなづくと新iBook Special EditionがDVD-ROMを搭載していること、そしてSpecial EditionにもApple Storeのみで購入可能なKey Limeモデルが用意されることを発表した。

ジョブズが「AppleStoreだけ」というと聴衆からはブーイングが漏れたが、ジョブズはそれを制して講演を続けた。

国内販売価格、19万8000円の新iBook Special EditionにはFireWireに加えてDVD-ROMドライブも搭載される。なお、新iBookはSpecial Editionも含め表面が光沢のある滑らかな仕上げになっているので、梨地仕上げのこれまでのiBookとは違ったおもむきをもつ

Mac OS X公開ベーター版は有料

iBookの発表が終わるとジョブズはソフトウェアの発表に移る。

まずは、ゲストであるマイクロソフト社Macintosh Business Unitのジェネラル・マネージャー、ケビン・ブラウン氏が壇上に真似からMicrosoft Office 2001:macの紹介を行なった。

Microsoft Office 2001:mac
Microsoft Office 2001:macを紹介したマイクロソフト社ケビン・ブラウン氏

同ソフトの紹介が終わると、ジョブズは、いよいよ本日のメーンイベントであるMac OS X公開ベーター版の紹介に移った。「Mac OS X公開β版は今日から入手可能になる。」ジョブズは力強い声でこう発表した。しかし、日本のMacユーザーが同ソフトを入手できるようになるまではまだしばらくがかかりそうだ。

Mac OS X公開ベーター版はとりあえず英語、独語、フランス語の3ヵ国語版が用意される

アップル社はとりあえず英語、フランス語、ドイツ語の3カ国語に対応したMac OS X公開ベーター版をこれらの言語圏のアップル社ホームページにて発売する。そう同OSは、公開ベーター版ソフトにしてはめずらしく有料なのだ(米国価格で29.95ドル)。

動作確認機種に関しては、ウェブに1998年9月以降にリリースされたPowerBookということで、以下のマシンが対象となっている。

Power Mac G4 - AGP Graphics,Power Mac G4 - PCI Graphics,Macintosh Server G4,Power Mac G4 Cube,iMac(Bondi Blue),iMac(5 Flavors),iMac DV,iMac/iMac DV+/DV SE (slot loading),PowerBook G3 Series,PowerBook G3(USB),PowerBook G3 (USB & FireWire) ,iBook,iBook SE,iBook(FireWire),iBook SE(FireWire),Power Macintosh G3(All-In-One, Desktop, Mini Tower, Server),Power Macintosh G3(Blue and White)

スティーブ・ジョブズは同ベータ版が有料になったのは丁寧なマニュアルやきれいな梱包を用意したからだと説明した。
ジョブズが手にしているのがそのマニュアル

ジョブズはもっと早く手に入れたい人のためにApple Expo会場においても同OS公開ベーター版の発売を行なうと発表し、急いで会場に向かうように来場者達に勧めた。

なお、新iBookは日本では17万8000円、新iBook Special Editionは19万8000円で発売される。

基調講演の詳細な模様やMac OS X公開ベーター版に関する情報は、次の記事で紹介する予定だ。

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