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ソニー、バイオ新製品発表会を開催、次世代バイオ2モデルを公開

2000年09月08日 22時36分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ソニー(株)は8日、9日と10日に東京/品川インターシティで開催するイベント“VAIO EXPO 2000”会場内で、同社のPCシリーズ“バイオ”の新製品発表会を開催した。

他社PCとの差は「思想の差」と安藤社長

発表会の冒頭、挨拶を行なった同社社長の安藤国威氏は、「我々が提唱してきた、PCでいろいろなAV機器をつないで楽しみを作る“AVとITの融合”というコンセプトが幅広く浸透してきた」と語り、本日発表のバイオ新製品と、携帯情報端末“CLIE”について、「今回のバイオ製品は、本当の意味でAVとの融合を実現した。例えば、バイオLXシリーズの『LX80』はペンタブレットを搭載、お絵描き感覚でPCを操作できる。これで、PCと無縁であった人たちもバイオを通してインターネットの世界を自由に楽しめる。エポックメイキングの製品だ」

“応援”と称して発表会場に登場した同社の安藤国威社長

「ハードウェアとコンテンツサービスの融合は“CLIE”で実現する。CLIEは戦略的に意義のある製品。家庭用デジタルAV機器とコンテンツをつなげて、いつでもどこでも便利な世界を実現するというコンセプトを可能にするのがCLIEだ」と語った。

最後に同氏は、「バイオは他PCと何が違うかとよく聞かれるが、思想の差だと思う。バイオ市場投入時の3年前から変わらない“バイオは家庭生活に必須の道具になっていく”という思想が、明確な差になったのだ。この3年の差は非常に大きい。今後もわれわれはこの道を追求していく」と締めくくり、会場を後にした。

続いて、同社パーソナルITネットワークカンパニーITカンパニーのプレジデントである木村敬治氏が、2000年のバイオ戦略について説明。「今回の製品発表は、2000年これから21世紀に向けての新しいスタートポイント。“バイオワールド2000”では、プロダクトとインターネット上のサービスをつなげることで、新しいデジタルエンターテインメントの世界を提案していく」

同社パーソナルITネットワークカンパニーITカンパニーのプレジデントである木村敬治氏

「CLIEは、新しいモバイルプラットフォームに対するわれわれのチャレンジだ。オープンなビジネスプラットフォームとして育てていきたい」

「また、インターネット上にサービスを広げていく。今秋より、デジタルイメージングコミュニティサイト“イメージステーション”とCLIEユーザー向けコンテンツサイト“クリエ・プラザ”という具体的な2つのサービスを展開する」と語った。

また同社は、21世紀に向けたハード、ソフト、サービスが生み出す新しいサービスとして、インターネットで個人放送できる“パーソナルキャスティングサービス”の展開を行なうという。ライブ映像の情報発信をインターネット上で行なうというもので、木村氏は「まもなく実現できる」としている。

続いて、デスクトップ事業を統括するパーソナルITネットワークカンパニーのITカンパニーデスクトップコンピュータ部統括部長の辻野晃一郎氏と、ノート事業を統括するパーソナルITネットワークカンパニーのITカンパニーモーバイルプロダクツ部門部門長の島田啓一郎氏が、バイオの新製品について説明した。

デスクトップ事業を統括するパーソナルITネットワークカンパニーのITカンパニーデスクトップコンピュータ部統括部長の辻野晃一郎氏。「バイオデスクトップシリーズは、人とPCの心地よい関係を提供するべく製品を展開している。次世代液晶デスクトップPC『LX80』は究極の家庭用デスクトップを目指したモデル。ペンタブレットを採用し、自然な操作でPCに接することが可能となった。ディスプレーを寝かせた状態で使えるように工夫してある」
ノート事業を統括するパーソナルITネットワークカンパニーのITカンパニーモーバイルプロダクツ部門部門長の島田啓一郎氏。「バイオノートの基本方針は市場の創造。秋の製品戦略は、映像や音楽の楽しみの拡大と、携帯性の追求。今回のC1は軽量化とともに長時間駆動可能なバッテリーによるスタミナ化を図っている」

次世代のバイオノートコンセプトモデルが登場

さらに島田氏は、21世紀に向けた2種類のバイオノートコンセプトモデルを紹介した。

『バイオGT』は、パーソナルキャスティング(個人によるインターネット上の映像発信)を実現するための“夢のバイオ”として企画されたもので、いわば“パソコン付きビデオカメラ”。光学式ズームレンズ搭載ビデオカメラを装備しており、液晶部分は回転式となっている。撮影時には液晶部を回転させ折りたたむことで、既存のデジタルビデオカメラのような形状で利用できる。このバイオGTとパーソナルキャスティングサービスにより、撮影した動画映像をリアルタイムにインターネット上で公開できるという。

ズームレンズ搭載ビデオカメラを内蔵した『バイオGT』
液晶を開いた様子
液晶部は回転させることが可能
液晶部を回転させ、折りたたんだ様子。まさに“パソコン付きビデオカメラ”

『バイオQR』は、持つ楽しみを追求したコンセプトモデルで、キーワードは“パイプいす”。持ち運び用の取っ手が付いており、バッグのように持つスタイルを楽しめるようなデザインとなっている。

持ち歩く楽しみを追求した『バイオQR』。個人的には、ブリブリにカラフルで“カ~ワ~イ~イ~”なものより、ずっといい

両モデルとも、現在製品化に向けて開発が進められており、年末から2001年初頭ごろには製品化される予定。

VAIO EXPO 2000会場には新製品が並ぶ

発表会終了後は、VAIO EXPO 2000会場が報道関係者向けに公開された。今回発表されたバイオ新製品およびCLIEを直接さわって体験できるコーナーや、搭載されている機能やソフトの紹介コーナーなどが用意されており、店頭発売日より一足速く、新製品に触れられるまたとない機会となっている。

VAIO EXPO 2000会場入口では巨大なCLIEがお出迎え
バイオ新製品がずらりと並ぶ会場内

また、参考出展として、Bluetooth搭載ヘッドセット、Bluetooth搭載カメラ付きPDA、Bluetooth内蔵バイオC1、Bluetooth対応の家庭用アクセスポイントといった製品が展示されている。同社は今後、Bluetoothのさらなる広帯域化に協力し、Bluetoothに対応したAVアプリケーションを提供していくという。

同社は、Bluetooth対応アプリケーション例として、PCとウォークマンのデータをワイヤレスで交換できるPCワイヤレスジュークボックスや、デジタルカメラなどで撮影した写真を携帯電話経由で電子メール送信できるツール、PDA同士でワイヤレスで個人プロフィールを交換できるツール、ワイヤレスのビデオ伝送ツール、携帯電話やウォークマンを利用したモバイルミュージックプレイヤー、ウォークマンの音楽データを他のコンポやカーオーディオで再生できるツールなどを提案している。

メモリースティックDuoを搭載した世界最小サイズ液晶付きデジタルカメラ。参考出展
VAIO EXPO 2000はすべての新製品に触れるチャンス。写真は話題のペンタブレット搭載モデル『LX80』

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