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NTT、地図連動型Web-DBの利用実験を開始

2000年09月06日 20時17分更新

文● 編集部 小磯大介

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東日本電信電話(株)と西日本電信電話(株)(東西NTT)は6日、都内で記者会見を開き、インターネット上で地図と、それに連動したデータベースを一度に複数処理できる“地図連動型Web-DBアプリケーション”を開発したと発表した。両社では、9月11日から2001年5月17日まで、石川県金沢市で同アプリケーションの利用実験をおこなう。

ベースとなる1/2500縮尺のデジタル地図データは東西NTTの関連会社である(株)エヌ・ティ・ティ・エムイー北陸が提供する

地図連動型Web-DBアプリケーションとは、ウェブブラウザーから、地図を情報基盤とする複数のデータベースを複合的に処理し、使用するユーザーにあわせた地図サービスをおこなえるアプリケーション。デジタル化された地図情報と統計や位置データを複合・統一的に扱う地理情報システム(GIS:Geographical Information System)、ユーザーの希望に沿って映像を配信するシステムであるVOD(Video On Demand)と、初心者でも必要事項を入力するだけで簡単にウェブサイトを作成できる“情報発信テンプレート”の組み合わせである。

“地図連動型Web-DBアプリケーション”。金沢市の地図(右上)と、住所から場所を検索するためのデータベース検索システム(左上)、“食べる”“遊ぶ”などのジャンルから場所を検索するためのデータベース検索システム(左下)を、統一的に利用できる。検索結果は右下のウィンドウに表示される

東西NTTでは今回、同アプリケーションを用いて、金沢市の小売商店主など100名に情報発信テンプレートをもとにした広告ページを作成してもらい、そのブックマークをデジタル地図上に置き、地図や住所、ジャンルで目的の店舗を検索する“商店検索サービス”を試験的に運用する。システムの負荷や、アプリケーションの性能、ビジネス展開の可能性などについて検証するとしている。

“情報発信テンプレート”を用いて作られたページのデモ。店名、住所などの必要事項を入力するだけでウェブサイトを構築できる。画像の追加変更のほか、動画の利用も可能

利用実験を金沢市でおこなう理由は、光ネットワークと情報家電を利用した地域情報流通ビジネスについて、その可能性やシステム、機能を検証する、東西NTTと松下電器産業(株)、松下通信工業(株)、北陸松下ライフエレクトロニクス(株)5社の共同実験“FTTH(※1)金沢トライアル”の一環であるからだという。このため、今回の実験では、光ケーブルの負荷実験も兼ねる。ただし、一般のインターネットユーザーも商店検索サービスの実験に参加することができる。

※1 FTTH(Fiber To The Home):光ファイバーケーブルを各家庭まで敷設し、各種通信サービスを提供するという構想

東西NTTでは、2001年5月に、地図連動型Web-DBアプリケーションの性能やビジネスの可能性について判断する予定。具体的なビジネス展開についてはまだ結論を出せないとのことだが、将来的には、今回の試験サービスを全国展開するというよりも、アプリケーションを地方自治体や商工会議所などの公的機関へ納入していくビジネスを考えているという。

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