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ロペ、映像配信向けのマルチメディアコンテンツ配信記述言語を発表

2000年08月29日 21時59分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(※1)(株)ロペは、ブロードバンドネットワークを使用した映像配信向けのコンテンツ配信記述言語『ICML(Intermedia Casting Markup Language)』を発表した。

※1 (株)ロペは'97年に設立され、インターネットコンテンツや関連ソフトの開発、コンサルティング事業を行なっている。現在、携帯電話を使ったチケットの販売事業を広告代理店やプロモーターと提携して計画中という。

(株)ロペ代表取締役社長の南秀明氏

ICMLは、動画や音楽などのマルチメディアコンテンツを、インターネットやイントラネットを通じてユーザーに配信するための記述言語。ICMLで記述されたファイルは、通常のウェブサーバーに置かれ、HTMLなどと同様に配信される。ICMLで書かれたコンテンツの表示には、現時点では専用のブラウザーアプリケーションが必要という。ただし、今後Internet Explorerで利用できるプラグインソフトを提供するとしている。

同社取締役で、ICMLの開発者である鼠屋将志氏

従来のHTMLでは、動画とテキストデータを同期させて、そのシーンにあったデータを表示させるようなことはできなかった。また、マルチメディアデータを扱うための標準言語(※2)SMIL(Syncronized Multimedia Integration Language:スマイル)では、同期やストリーミングデータの配信などもサポートされているが、データをユーザーに表示する上で、可能なレイアウトに制限があり、コンテンツを自由にデザインしたいというニーズに応えきれない問題があったという。

※2 ウェブ関連技術の標準化を行なうWorld Wide Web Consortium(W3C)が策定した、XMLベースのマルチメディアコンテンツの記述言語。

ICMLでは、コンテンツ配信側あるいは受信するユーザー側で選択できる複数のレイアウトを用意できる。また、ユーザーの好みによって異なるシナリオの映像を配信したり、画像の字幕を好きな言語で表示させるといったことが可能になるとしている。

ICMLを使ったマルチメディアコンテンツ配信の例。画像のウインドウを重ねて表示している

同社では現在、マルチメディアコンテンツを制作するためのオーサリングソフトを開発中で、開発が終了し次第、マルチメディアコンテンツの提供を考えている企業に向けて販売する予定。また、このオーサリングソフトの公開後は、ICMLの言語仕様をウェブサイトなどを通じて無償で公開する予定としている。

店舗を紹介する動画を流しながら、店舗情報を表示したり、表示レイアウト自体を変更したりといったデモを行なった

また、動画配信サービスの展開を希望する企業向けに、コンテンツサーバーやコンテンツそのものの構築、サービスの提供をロペが行なう、ASP事業を開始予定。制作会社や広告代理店、および個人のウェブサイトに対して説明会を開催するなどのマーケティングを行なうという。このASP事業の開始にあたっては、“ICML Partner Program(IPP)”という、パートナープログラムを開始し、コンテンツサプライヤーと協力していく予定という。パートナー企業はこれから募集するとしている。

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