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日本IBM、理化学研究所がスピン物理学の研究で大容量ストレージ管理ソフト『HPSS』を採用と発表

2000年08月29日 18時37分更新

文● 編集部

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日本アイ・ビー・エム(株)は29日、理化学研究所(以下理研)が米ブルックヘブン国立研究所(以下BNL)と共同で進めてきた“スピン物理学”の研究のために、IBMの階層型ストレージ管理ソフト『High Performance Storage System』(以下HPSS)を採用したと発表した。HPSSが採用されたのはアジアでは初めて。ハードにはIBMの超並列サーバー『RS/6000 SP』を採用し、6月9日に実運用を開始した。

HPSSは、米エネルギー省の“ASCI(アスキー/Accelerated Strategic Computing Initiative)”の要求に応じ、複数の研究所と米IBM社が共同開発したもの。分散環境で動作するように設計されており、ペタバイトクラスの大容量ストレージ環境を構築できる。

理研とBNLのスピン物理に関する共同研究は、原子核の構成要素のひとつである陽子の内部構造の解明を目的としている。同研究により、宇宙を構成する要素とそれらを結びつける力をより正確に理解することが期待されている。このスピン物理の分野は、歴史的には半導体や超伝導などの開発にも貢献しているという。同研究は、年間約250TB(テラバイト)(500ページの本10億冊相当)という大容量のデータをさまざまな角度から分析する必要があるという。現在、HPSSの性能は1秒あたり50MB(500ページの本を200冊読込み可能)で、2002年頃には1秒あたり数100MBまで拡張する予定という。

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