(株)ジェイティーエムは、PHSや携帯電話回線を利用した、映像と音声の双方向通信システム『フィールドビジョン』を発表した。カメラとホストコンピューター各1台と通信用PHS2台のセット価格が128万円前後で、9月上旬に出荷の予定。
フィールドビジョンは、デジタルビデオカメラ『FVC1』と、専用ソフトウェアを組み込んだホストパソコンから構成される。FVC1とホストパソコン間はPHSまたは携帯電話によって直接接続される。
『フィールドビジョン』 |
デジタルビデオカメラFVC1は、35万画素の4分の1インチCCD、3.5インチのTFT液晶ディスプレーを備え、MPEG-4形式の動画(320×240ドットまたは160×120ドット。音声含む)とJPEG形式(640×480ドット)による静止画の撮影が可能。リチウム充電池を内蔵し、5時間の充電で連続2時間使用可能。サイズは幅228×奥行き85×高さ186mm、重さは約1.36kg。
FVC1を構えたところ。レンズは反対側についている。三脚を取り付けているが、本体の両側を持っての撮影も可能 |
PHSによるPIAFS 32kbpsデータ通信を行なった場合、ホストパソコンとは、秒数コマの画像(160×120ドット)と音声によるリアルタイム双方向通信が可能。撮影した静止画やMPEG-4画像の送受信が可能という。約70KBの静止画(640×480ドット)で14秒程度、約2.4MBの音声付き動画(320×240ドット、約1分間)を10分程度で転送できる。
ホストとなるパソコンには専用ソフトウェアがインストールされており、1台のホストパソコンによって、FVC1を最大100台管理できるという。ただし、FVC1とは1対1で通信を行なうため、1度にコントロールできるのは1台となる。
ジェイティーエムでは、このシステムを報道機関、建設・土木事業者、自治体などへの販売を目指すとしている。現時点で詳細は発表できないとしながらも、自治体への納入が決まっているほか、結婚式場を経営する企業が式に出席できない親類に式の模様を伝えるシステムとして採用を決めているという。2000年度末までに約8億円、販売開始後の1年間で約1000セットの販売を見込んでいる。
ジェイティーエム代表取締役社長の相馬幹生氏 |
フィールドビジョンは、今後PHSや携帯電話のデータ通信速度向上を見込んだ設計となっており、PIAFS 128kbpsやIMT-2000による384k~2Mbpsの高速データ通信が可能になれば、高解像度の動画像をリアルタイムに送ることもできるとしている。
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