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JEIDA、パソコン減税の期間延長を政府に要請――2000年度の出荷予測も発表

1999年11月30日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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(社)日本電子工業振興協会(JEIDA)会長の秋草直之氏(富士通(株)社長)は30日、同協会の上半期業務報告を兼ねた記者会見を行ない、「業界の実態からすれば、景気は上を向いている」との見方を示した。また、'99年度末までの時限措置である“パソコン減税”について、単年度の期間延長を政府に要請していることを明らかにした。

記者会見に臨んだJEIDA会長の秋草氏(左)と、専務理事の田中氏
記者会見に臨んだJEIDA会長の秋草氏(左)と、専務理事の田中氏



記者会見は、同協会会員の秋の叙勲、褒賞受章者を祝う祝賀懇親会の後で行なわれた。秋草氏は、経済企画庁がまとめた11月月例経済報告に触れ、「月例報告では『ゆるやかな改善』としているが、我々の業界の実態としては上を向いている」とし、業界内としては景気回復傾向が強まっている、との見方を示した。

裏付けとして、同協会がまとめたパソコンの出荷予測を挙げ、「年初めには年間800万台と予測したが100万台上方修正して900万台とした。思った以上にパソコンが普及しつつあり、来年は1000万台を超えると予測している」とした。その一方で「1年間に900万台とは大変なことだが、それにしては静かな印象だ。一般消費者の間でもネットワークが広まり、コンテンツ産業などに影響を与えている。キャリアの側も含めて、我々ももっと真剣に対応しなければ」と話し、インフラ整備も含め業界全体が市場の盛り上げに力を注ぐべきとの認識を示した。

また同協会専務理事の田中達雄氏は、パソコン減税の単年度延長を政府に要請したことを明らかにした。田中氏は「販売現場の担当者の声を聞くと、今年パソコンを購入した企業の2割はパソコン減税を意識していたようだ」と述べ、パソコン減税は効果があったとした。

『情報通信機器の即時償却制度』、いわゆるパソコン減税は景気対策の一環。2000年3月までの時限措置として施行された。パソコンや周辺機器、デジタルコピーなど8品目が対象で、購入額が100万円未満であれば即時償却できる制度。現行の償却期間は6年間とされているため、即時償却できれば一時的に税負担は大きく減る。

また同協会は、2000年度におけるコンピューターと周辺機器の出荷予測を発表した。全体の傾向としては、景気の回復傾向や2000年問題対策に伴う投資抑制の反動、電子商取引の本格的な立ち上がりなどの要因から、情報化投資への投資拡大が期待できるとし、全体の国内出荷額は'99年度で6兆1060億円(前年度比1パーセント増)、2000年度は6兆2700億円(同3パーセント増)と予測している。

品目別では、2000年問題の終息で投資回復が見込まれるメインフレームが台数で2300台(同15パーセント増)、金額で6300億円(同13パーセント増)と予測。ミッドレンジコンピューターも台数で16万4000台(同7パーセント増)、金額で7630億円(同1パーセント)と好調に推移すると見ている。

パソコンは'99年度の好調が継続し、台数で1008万台(同12パーセント増)、金額で1兆8100億円(同2パーセント増)と伸びを予測し、液晶ディスプレー採用の省スペースモデルと低価格デスクトップ、ノートタイプが市場をけん引する、としている。周辺装置はインクジェットプリンターや液晶ディスプレー、HDDなどの好調で金額で2兆6300億円(同3パーセント増)と予測している。

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