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テクノポップバンド“P-MODEL”、MP3による新曲配信を開始

1999年05月31日 00時00分更新

文● 編集部 原武士

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テクノポップバンド“P-MODEL”は、東京・目黒にて結成20周年プロジェクト“音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE”についての記者発表会を開いた。このプロジェクトは、MP3配信専用のウェブサイト“P-PLANT(廃棄物再生処理工場)”を立ち上げ、そのサイト上で無料の試聴サービスとオンライン販売を開始するというもの。

試聴サービスには、高音質のまま部分的に試聴できるものと、低音質(AMラジオ程度の音質)で全曲試聴できるものの2種類が用意される。オンライン販売にはビットキャッシュ(株)の電子決算システム“BitCash”を利用する予定。価格は1曲200~300円の予定。

P-PLANTで配信する曲は、ライブアルバム“Virtual Live Series”3作と、新作アルバム1作の合計4作のアルバムに含まれる全曲。また、曲以外にもP-MODELオリジナルのスクリーンセーバーやMP3関連ソフトウェアも配信する予定。

また、プロジェクトの一環として、8月にはインターネットを利用したユーザー参加のコンテンツを作成する“グローバル・トリビュート・プロジェクト”を、10月にはライブツアー“音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE”を開始する。発表会では、P-MODELの福間創氏、平沢進氏、小西健司氏が登場しプロジェクトについてコメントした。

福間創氏(左)、平沢進氏(中央)、小西健司氏(右)
福間創氏(左)、平沢進氏(中央)、小西健司氏(右)



平沢氏「音楽産業廃棄物というのは、産業廃棄物に見られるような悪いものではなく、P-MODELは結成20年活動してきたが、その中でほとんどのメジャーに所属することによっていろんなことを諦めなければならないことが多々あった。メジャーであるからこそ、セールスの約束できるような曲制作や、メーカーの意向に従ったデザインなど諦めていたものにあえて挑戦しようとおもう」

平沢氏「インターネットの発達と、音楽圧縮技術の発達により、ミュージシャン自身がリスナーに対して音楽を発信できるようになった。しかし、プロのアーティストはレコード会社との関係上、MP3形式による音楽配信は難しかった。我々はメジャーから外されても自分たちの活動は変わらない自信があるし、曲を直接リスナーに届けたいという気持ちから、メジャーからの契約を打ち切って音楽配信に踏み込んだ。MP3形式のデータを聴けないユーザーにもCDのパッケージ販売も続けていく」

平沢氏「今後は、レコード会社に所属しないミュージシャンが増加するだろう。ミュージシャンの自立を怖がるレコード会社もあると思う。しかし、MP3形式によるデータ配信は在庫管理などの面から見ても人員削減以外によるリストラが可能になるなどマイナス面ばかりではないだろう」

小西氏「製作段階のデータの受け渡しにもMP3を使うようになった。メンバーの3人がそれぞれ遠くにいるので、MP3を使うようになってずいぶん曲製作が楽になった」

プロのミュージシャンがMP3を使ったコンテンツ配信をするのはほとんど前例がないだけに、P-MODELでも「とにかくやってみなければ結果はわからない」という。

P-PLANT
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