(株)NTT-MEと米シスコシステムズ及び日本シスコシステムズ(株)の3社は17日、IPネットワーク技術を利用したデータ、音声、映像サービスに関する業務提携を発表した。
これは、ソフトウェアの開発やシステム運用、教育研修などの分野において、それぞれの技術やインフラを補完しあいつつ総合的なサービスの提供を目指すというもの。
この提携に基づき、NTT-MEは光ファイバーを活用した高速・広帯域マルチメディアサービス『XePhion(ゼフィオン)高速IPエクストラネットサービス』の提供、およびネットワークソリューションの提供を行なう。
シスコはインターネットプロトコルを用いた音声通信システム『VoIP(Voice
over IP)システム』の提供、および企業LANやWAN上のパソコンにライブやビデオの映像を配信するシステム『Cisco
IP/TV』の提供を行なう。
両社がこれらの技術を共用することで、企業向けの安定した広域IPネットワークを構築でき、高品質な音声通信・映像を利用したソリューションを提供できるという。
また、両社はIPネットワーク技術者養成のため、教育ビジネスの市場開発に加え、教育から保守・運用までを一貫して行なうソリューションを提供する。企業向けサービスの提供は、'99年度第2四半期から開始するという。
提携の具体的な内容は以下の通り
●IPネットワーク上の音声通信ソリューション“企業向けVoIPシステム”の提供。これは、NTT-MEの『XePhion』とシスコの『VoIPシステム』を組み合わせ、企業ユーザー向けに、音声通信ソリューションを共同で提供するもの。シスコは日本国内で電話ビジネスの実績を持つNTT-MEからノウハウを受け、日本市場に向けた製品開発を行なう。
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| 会場では、“企業向けVoIPシステム”を使って、東京のNTT-MEと長野のNTT-ME間で通話を行なうデモンストレーションが行なわれた。 |
●IPネットワーク上の映像ソリューション“企業向けXePhion + Cisco
IP/TVシステム”の提供。これは、NTT-MEの『XePhion』とシスコの『Cisco
IP/TVシステム』を組み合わせ、企業ユーザー向けに、映像ソリューションを共同で提供するもの。
●“IPネットワーク技術者養成のための教育ビジネス”の市場開発と実施。これは、(株)エヌ・ティ・ティ
エムイー情報流通が提供する、インターネット技術を利用したネットワーク教育システム“CALAT”と、シスコのトレーニングカリキュラムを組み合わせるもの。IPネットワーク技術者養成のための教育ビジネス開発、商品化を行なう。
●“IPシステムパッケージ”と“IPトータルソリューション”の提供。これは、IPベースのアプリケーションやルータ・スイッチなどのシステム製品を組み合わせた“IPシステムパッケージ”の開発・商品化と、ユーザシステムエンジニアの教育から、SI、保守、運用までを一貫した“IPトータルソリューション”を提供する。
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| NTT-MEの池田茂社長 |
NTT-MEの池田社長は、「ネットワークをより実用的にするため、データ処理だけでなく、音声や映像を同じネットワーク上で処理する必要がある。そのため、従来の電話交換器は、ルーターに置き替わっていくだろう。そこで、ルーターの分野で高い技術を持つシスコシステムズ社と提携をし、共同でシステムやアプリケーションなどを含めた次世代ネットワークを開発していく。今回の提携は、各業界からの要請もあり、実現を急いでいた」と述べた。
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| 日本シスコシステムズの黒沢社長 |
日本シスコシステムズの黒沢社長は、「アメリカではネットワーク技術者が350万人不足してると言われており、IPネットワーク技術者の教育が必要となっている。今回の提携で、日本でもこの教育ビジネスを立ち上げる。日本企業がグローバル・マーケットで生き残るためには、IPネットワークを日本国内で普及させる必要がある。そのために、NTT-MEとわが社の技術を合わせて“VoIP”と“Cisco
IP/TVシステム”を普及させていきたい」
と述べた。
