今回のロボカップジャパンオープンでは、将来のロボカップをにらんでのエキシビションも開催された。併催のヒューマンロボットフェア99に出展したメーカーの製品(未発売のものを含む)の多くが参加していた。
ヒューマンロボットフェア99のレポートでも紹介した、バンダイの『サッカーロボット』や、システムワットの『ROBOCUBE』、メカトロシステムズの『Robo-E』(ロボカップ用の小型プラットフォーム)、そして『LEGO
MINDSTORMS』ユーザー有志によるロボットなどが、小型機部門のフィールドを使って対戦した。
ロボカップでは現在の3カテゴリー以外にも、よりホビー感覚でエントリーできるジュニア部門の創設を検討しており、今回参加したロボットがそのプラットフォームになりうる可能性もある中でのエキシビションとなった。
バンダイのサッカーロボット同士の対戦。操縦者の上手さもあって白熱した試合に |
MINDSTORMSとバンダイ・サッカーロボットとの対戦。動きの速さでバンダイの圧勝。MINDSTORMSの動きのユニークさがウケていた |
ゲーム自体は臨時のレギュレーションを使って行なわれたが、お披露目的な意味合いもあって和気あいあいの雰囲気の中で開催された。もっとも強かったのがバンダイのサッカーロボット。その目的用に開発されたものなので当然ではあるのだが、リモコン操縦者のテクニックも相当なものが見られた。システムワットのROBOCUBEは、リモコン操作ながらアクチュエータを使ったシュート、ドリブル機構を備えたもので、ブロックの組み合わせ次第でこんなものもできるという可能性を示した。
MINDSTORMSユーザーが持ち寄ったロボットたち。リモコンで操作するもののほか、自律的な動きを狙ったものもあった |
エキビジジョンのために集まったMINDSTORMSユーザー有志の皆さん。直前までプログラミングにかかりきりの人も |
LEGO MINDSTORMSは、メーリングリスト内の有志が、自作ロボットを持ち寄って参加したもの(このために上京したユーザーも)。ケーブル付きのリモコン操作のため、ケーブルが絡まったり、ロボットまで届かなかったりしたり、パーツが次々と壊れるなどして、笑いを誘っていた。このMINDSTORMSの“リモコン”は、タッチセンサーを本体からケーブルを使って手元に伸ばし、そのタッチセンサーを指で操作するというものだ。その反面、MINDSTORMSの光センサーにボールを認識させ、自律的に動くロボットを製作していたユーザーもおり、将来への期待をにじませていた。ちなみに昨年パリで開催された世界大会では、MINDSTORMSを使ったサッカーロボットのデモが行なわれており、これは上空カメラを使って位置認識を行なうシステムでMINDSTORMS製のロボットを動かすという大規模なものだった。