このページの本文へ

プラス、DLP方式を採用した薄型・軽量デジタルプロジェクターを発表

1999年05月11日 00時00分更新

文● 報道局 綿貫晃

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

プラス(株)は、液晶方式に代わるDLP(デジタル・ライト・プロセッシング)方式を採用したプロジェクター『U2-1080』と『U2-870』を発表、'99年8月より発売する。価格はそれぞれ97万8000円、77万8000円。

『U2-1080』
『U2-1080』



DLP方式は米テキサス・インスツルメンツ社が開発したもので、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)
をコントロールするデジタル制御システム。DMDは、XGAの場合17×13mmの小さなシリコンの中に、80万個の微細なミラー(1辺16μm)を並べ、1枚のパネル状にしている。シリコン上の微細なミラーは、ひとつひとつが反射角度を変え、光源から発せられた光のON/OFFを行なうしくみになっている。光をミラーで反射させるため、光を透過させる液晶方式に比べて光のロスが少ない。また、3原色を1枚のDMDで処理させる単板方式のため、色ズレや色むらが発生しないという。

この製品は、DLP方式の採用や色温度の高い新型の小型ランプ(P-VIPランプ)の採用、光量の均一化を図るフライアイレンズの採用などによって、高画質化とA4サイズという小型化(幅235×奥行297×高さ58mm)が図られている。軽量化も図られ、重さは約2.5kg(U2-870)となっている。

解像度は『U2-1080』がXGA(1024×768ドット)のリアル表示とSXGA(1280×1024ドット)の圧縮表示に対応し、『U2-870』はSVGA(800×600ドット)のリアル表示とXGA(1024×768ドット)の圧縮表示に対応している。圧縮表示の際にも間引きされた情報を補完し、文字欠けのないクリアな画像が表示できるという。明るさはそれぞれ800ルーメンと700ルーメン。明暗部のコントラスト比は500:1となっている。

入力系統はRGB(D-Sub15pin)×1とSビデオ端子×1、RCAピンジャック×1。投影距離は1.2~12.2メートルで、最小25インチから最大300インチのサイズで投影できる。

「世界シェア10%を目指す」と語る今泉副社長
「世界シェア10%を目指す」と語る今泉副社長



同社の今泉副社長は、新製品開発の背景について、「電子機器を始めた'88年ごろからOHPに力を入れていたが、徐々にプロジェクターが台頭してきたため、プロジェクターの開発を始めることにした。ただし、普通の液晶では他社に勝つことができないと考えたため、液晶以外の方式を探していた。そこで、テキサス・インスツルメンツ社のDLP方式に目をつけ、'98年2月にDLP方式を採用したデジタルプロジェクター『UPシリーズ』を発売した。そして今回、本格的なモバイルプレゼンテーションを可能にするため『U2シリーズ』を開発した。新製品の小型化を可能にしたのは、他社では別々に研究している照明光学と投影光学が、プラスでは一緒に開発できたからである」と述べた。

販売に関しては、「初年度は、DLPプロジェクターの輸出やOEM販売、エンジン販売を合わせて5万台を販売目標とし、世界シェア10%を目指す。今後は、個人向けのホームシアター市場も視野に入れ、販売チャンネルを広げていくつもりである」と語った。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン