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「IEEE1394はピア・トゥ・ピア接続のための最適なソリューション」~IEEE1394TAがUSBに対して優位性をアピール

1999年04月16日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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 IEEE1394TradeAssociation(TA)は16日、大阪府守口市の守口市民会館において記者会見を開き、IEEE1394について、現状と今後について説明を行なった。

IEEE1394TradeAssociation(通商協会)会長のジェームス・スナイダー氏
IEEE1394TradeAssociation(通商協会)会長のジェームス・スナイダー氏



 IEEE1394のコンシューマー市場の現状については、DVカメラが95年の夏から発売開始され、3月半ばで700万台に達し、1四半期あたり100万台の売り上げとなっている。今年のクリスマスまでには1394が搭載されたDTV(デジタルTV)が発売される予定。今後はさまざまなD-STB(デジタルセットトップボックス)、D-VCR(デジタルビデオレコーダー)、AV-HDD(オーディオビジュアル用ハードディスク)が発売される予定となっている。

 IEEE1394のパソコン市場における現状については、現時点ではソニー、コンパック、NEC、AppleからIEEE1394インターフェースを搭載したパソコンが発売されているが、年末までにはパソコンメーカーの上位10社のうち4社が新たにIEEE1394インターフェースを持った製品を発売する予定。チップセットで見た場合は、1999年には800万ユニットのIEEE1394チップセットを販売する予定となっている。

 富士ゼロックスはすでに発売済みだが、IEEE1394インターフェースを持つプリンターやスキャナーが年末までに新たに発表される。マス・ストレージ製品については、今年半ばに発表予定。アップルはMacintosh G3向けの製品を4月に発表している。また、IEEE1394はすでにマザーボードに搭載されてきている。いつくかのチップセットメーカーからも入手可能であるという。

 マイクロソフトはIEEE1394をサポートするソフトウェアを開発中で、1394経由のHDD/DVDのリムーバブルサポート、1394経由HDDのブートサポート、デバイスベイ、プリンター/スキャナーのドライバー、1394オーディオサポートなどを予定しているという。WinHECにおいてマイクロソフトCEOのビル・ゲイツ氏が、IEEE1394を使ったUPnPについて言及したことにも触れ「(巨大なOSメーカーがIEEE1394に言及したことは)非常に重要な発言だ」とした。

 IEEE1394TradeAssociation(通商協会)会長のジェームス・スナイダー(James Snider)氏は、よく聞かれる質問として、1394の知的財産権の問題とUSB2.0について特に言及し、1394の知的財産権については、「ロイヤリティーが高いのではないかといわれるが、決してそのようなことはない。少し前に、ソニー(株)、松下電器産業(株)、(株)東芝、米アップルコンピュータ社、米コンパックコンピュータ社、オランダのフィリップス社が共同で1394に関するパテントをIEEE1394TAの管理のもとにプールするとアナウンスされた。今月末までにはこれに関してもっと詳しいアナウンスメントが行なわれる」と述べた。“アップルが1ポートあたり1ドル(約120円)のロイヤリティーを徴収する”と噂された件については、明確に否定したが、最近一部に流布している“25セント(約30円)に値下げした”という件については明確な言及は避け、近いうちにはっきりするという表現にとどめた。

 またインテル社のUSB2.0について、USBはパソコン業界とパソコンのエンドユーザーにとってはよい製品であり、よい選択だが、IEEE1394はコンシューマー製品をも含んだ規格であり、例えばDVカメラとプリンターをパソコンなしでピア・トゥ・ピア接続することが可能であるだけでなく、データ転送速度もずっと速く(現時点で400Mbit毎秒。USB2.0(120Mbit毎秒)が登場すると予想される来年半ばには800Mbit毎秒に達するという)、IEEE1394とUSB(2.0)は競合するものではないと述べた。

 パソコンへの普及ではUSBに比べ後れをとっているIEEE1394陣営だが、ソニーや松下電器をはじめとする家電メーカーの後ろ盾もあってか、記者会見に臨んだスナイダー氏は自信にあふれているように見受けられた。今後、氏のいうように順調に製品が出荷されれば、すくなくとも家電市場においてはIEEE1394がスタンダードになることはまちがいないだろう。

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