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アイアールファーイースト、社名変更と日本市場での戦略を発表

1999年04月09日 00時00分更新

文● 編集部 白神貴司

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 パワーマネジメント用半導体素子ベンダーのインターナショナルレクティファイアージャパン(株)(以下IRJ)は9日、都内で記者会見を開催し、5日付けで行なわれた同社の社名変更および日本市場での今後の戦略について発表した。IRJは同市場最大手の米インターナショナル レクティファイアー社(以下IR)の日本法人で、旧称はアイアールファーイースト株式会社。

米IR社会長CEO、Eric Lidow(エリック・リドウ)氏
米IR社会長CEO、Eric Lidow(エリック・リドウ)氏



 同社は米IRの日本法人として'85年に設立された。米IRは1947年に設立された、電気製品の消費電力を抑えて効率化を図るパワーマネジメント半導体素子の市場では最大手のベンダー。MOSFET(金属酸化型半導体電界効果型トランジスター)に関する技術特許を保有し、高電圧コントロールICやダイオードなど、ポータブル機器やモーターのほか、自動車関連製品向けの電源・電圧コントロール半導体素子を生産、販売している。

 なお、米IRでは、現在同社で第6世代となる半導体素子を供給しているが、近日中に第9世代となる“CoolMOS”と名づけられた次世代新技術の発表を予定している。

 アイアールファーイーストは、日本を中心に、米IR社製品の販売活動を行なってきた。今回の社名変更は、日本市場にさらに注力することを示すために行なったという。

 同社社長の江坂文秀氏は、「今後はいかに米本社の最先端技術を迅速に国内に導入するか、という点に特化する方向で活動していく。競合他社とシェアの奪い合いをするのではなく、より付加価値をつけた形で製品を提供することでビジネスチャンスの拡大を図る」と語る。

IRJ社長の江坂文秀氏
IRJ社長の江坂文秀氏



 同社は'96年以降、2年連続で売り上げ減となっており、今回の社名変更を機に、2000年の売り上げを'97年と同水準(5億8000万ドル:約707億6000万円)まで回復させたいとしている。

 IRJはすでに、ソニー(株)の『VAIO』シリーズやシャープ(株)の『Mebius』シリーズなどノートパソコンに、バッテリーマネジメント用のICを供給している。今後この分野へさらに注力していくという。

 IRJは、日本インター(株)と、サンケン電気(株)との業務提携もあわせて発表した。今後、日本インターはIR社の製品を代理店として取り扱うほか、IRJが日本インターからダイオードなどを購入することも視野に入れて提携を拡大する方針という。サンケン電気とは、自動車向けに特化したパワーマネジメントICの共同開発を行なう。

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