(株)東洋情報システムは、分散オブジェクトシステムを構築するミドルウェア『Orbix
3』を発表した。この製品は、アイルランドのIONA Technologies社が開発したORB(Objects
Request Broker)『Orbix』の最新バージョンを含むソフトウェアパッケージで、CORBAに準拠したミドルウェア・アプリケーションを開発するもの。
製品パッケージ |
今までは『Orbix』単体で販売していたが、『Orbix 3』では複数のソフトをバンドルしたセット製品となっている。同梱されるのは、IONA社が開発したCOMとCORBAの統合環境を提供する『OrbixCOMet』、分散したサーバーの位置検索機能と不可分散機能を提供する『OrbixNames』、IDLファイルからのコード自動作成ツールキット(CGT)『Orbix
Code Generation Toolkit』、そしてファイヤーウォールを超えたIIOP(Internet
Intra ORB protocol)通信とネットワークでのセキュリティ機能を提供する『Orbix
Wonderwall』の4製品。対応OSはWindows NTおよび、Solaris、HP-UX(ANSI、C-Front)。価格は1開発ライセンスがWindows
NT版で54万円、UNIX版で125万円。開発したアプリケーションを実行する場合には別途にランタイムライセンスを購入する必要がある。
同社、産業第一事業部分散オブジェクト推進部の西本博明氏は、今回の製品発表について次のようにコメントした。
西本博明氏 |
「Orbixには目標が3つある。1つ目は、エンタープライズの統合製品として使えるような品質・性能の向上を目指すこと。2つ目は、プロ中のプロだけに使ってもらうのではなく、広いユーザー層に使ってもらいたい。生産性の高い開発環境を強化し提供することで、ユーザー拡大をねらう。そして3つ目は、システム構築上必要なサービスを本体にバンドリングして発売することで、購入時から全ての機能を利用できるようにすること。今回の製品はこれら全ての実現に向けた第1歩となる」
同製品の特徴として、開発元のIONA社が提唱する“Ease-of-ORB”(ORBを簡単に利用する)を意識したCGTがあげられる。このソフトは、ORBシステムにおいて幾度も利用されるソースコードや、実験用のソースコードを自動作成するもの。CGTにはTCL言語で書かれたコード作成スクリプト“genies(ジーニ)”が含まれている。出力したいコードに対応したginiesを利用することで、Makefile付きのC++コードやHTMLコードの出力が可能。また、オリジナルのginiesを作成することもできる。