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審査員全員が目をみはった26の動物たち----“NECマルチメディアアート大賞'98”

1999年03月29日 00時00分更新

文● 報道局 白神貴司

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 日本電気(株)は28日、“NECマルチメディアアート大賞'98 ”表彰式を開催した。グランプリをはじめとした各賞授賞作品を発表した。同コンテストは“学校・児童・生徒部門”、“ファミリー部門”、“マルチメディアアート部門”の3部門からなる。各部門の応募作品から金、銀、銅賞の各賞を選定した。また、応募総数4347点の中からグランプリを選んだ。

受賞者には、NECの高山由取締役から賞状などが手渡された
受賞者には、NECの高山由取締役から賞状などが手渡された



 このコンテストは、同社が“パソコンをキャンパスや絵筆、楽器のように使って欲しい”として、'88年から毎年開催しているもの。今年で11回目となる。


未就学生や小学生が大活躍

 “学校・児童・生徒部門”の金賞は、伊那市立新山小学校5年生4名が製作した『雪おんばのでんでんだいこ』が受賞した。この作品は、地域の人に協力して作ってもらった創作昔話に、絵や音楽、語りを付け加えたマルチメディア絵本。

『雪おんばのでんでんだいこ』
『雪おんばのでんでんだいこ』



 また、“ファミリー部門”では、西村仁志、西村由夏、西村弥早親子による『これなぁ~に?』が金賞に選ばれた。4歳の子供が描いた昆虫や小動物の絵に、親が子供に語り掛ける形でその動物の特徴を説明するナレーションを付けたマルチメディア図鑑である。

『これなぁ~に?』
『これなぁ~に?』



 “マルチメディアアート部門”では、グラフィック賞を以下の2作品が受賞した。 北山 敏・北山 早苗氏による『猫ねえさんから・・・ゆめをおくります。』はパソコンで制作した絵を手すき和紙に出力し、手でちぎって重ね貼りしたポスターと、同じく手すき和紙に出力して制作した絵本を組み合わせた作品。廿野(つづの)隆氏の『LINKY』は、子供の待つ家に餌を持ち帰るため、自動車道を横断しようとする蟻の親の行動を描いた作品。

グランプリは『ANIMALS A to Z』

 なお、すべての応募作品の中からからグランプリを獲得したのは、寺島裕子氏の『ANIMALS A to Z』だった。これは、アルファベットのAからZまで、26種類の動物(英語名)をモチーフにしたペーパークラフト作品。パソコンでグラフィックスを作成し、カラープリンターで出力した。構想に1年、製作に2ヵ月を要した。

『ANIMALS A to Z』
『ANIMALS A to Z』



グランプリを受賞した寺島裕子氏。「賞金(100万円)の使い道は?」との問いに「新しいパソコンを買います」とコメントした グランプリを受賞した寺島裕子氏。「賞金(100万円)の使い道は?」との問いに「新しいパソコンを買います」とコメントした



 審査員を代表してコンテストを総評した神戸大学の草原真知子助教授は、次のようにコメントした。「グランプリとなった『ANIMALS A to Z』は完成度、クオリティ、作品の柔軟性など、あらゆる面で群を抜いており、審査員全員一致で決定した。また、ファミリー部門では、作品から家族の暖かさやほのぼのした雰囲気が伝わってきて、楽しく選考できた」----。

 また、昨今の不況から中止に追い込まれているコンテストが増加している点に言及し、「“NECマルチメディアアート大賞”が、今後も毎年このように開催され、盛り上がることを期待している」と付け加えた。

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