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“国際ビジネスフォーラム'99”、米テラダイン社副社長が“日本市場と対日ビジネス戦略”について講演

1999年03月03日 00時00分更新

文● 報道局 西川ゆずこ

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  日本貿易振興会(JETRO)の主催で、本日から4日まで、“国際ビジネスフォーラム'99”が開催される。今年で5回目を迎える同フォーラムでは、コンピュータソフトウェア、エレクトロニクス、情報通信、バイオテクノロジーなど先端技術を持つ外国企業が46社参加し、日本企業との技術提携やジョイント・ベンチャーの可能性を探る機会を提供する。フォーラムは両日にわたり、各企業のプレゼンテーション、個別商談が設けられる。

米テラダイン社副社長のリチャード・ダイク氏
米テラダイン社副社長のリチャード・ダイク氏



 なお、本日、半導体事業を手掛ける米テラダイン社副社長のリチャード・ダイク(Richard Dyke)氏により“日本市場と対日ビジネス戦略”のテーマについての講演が行なわれた。テラダインは、半導体、およびソフトウェアのオートマティックテスターを提供する会社で、'60年に創立された。日本には'73年に支社を設立。25年の経験を通して、日本でのビジネス展開を考えている海外企業、および海外企業との提携を考えている日本企業の参加者に講演を行なった。

概要は以下の通り:

「昨今、日本経済全体の景気、半導体事業の景気が低迷していて、これから先のビジネスを警戒している人も多い。ですが、半導体に関して言えば、世界全体で日本市場の売上は30パーセントを占めている。市場としては、まだまだ重要だといえるだろう。

 同社では、過去にいくつかの間違いを犯している。'70年代、われわれは日本の半導体企業の底力を予測できなかった。また、日本の顧客へのサポートを怠り、米国と全く同一なものを提供するという間違いをしている。このように日本への対応が十分でなかったため、日本企業は同社の製品ではなく、国内の会社から製品を調達するようになった。これにより、'80年代、日本市場での製品シェアは減少し、会社としての戦略転換を迫られたのである。

 結果的に、'91年第1四半期には経営管理を改善するためTotal Quality Management(TQM)を導入。'92年には、優秀な人材を取得するため、日本支社を東京から九州に移転した。これらの戦略転換が、今日の成功の要因だと考える。

 日本では、日本電気(株)、(株)東芝など戦闘機、原子炉からコンシューマー用機器まで、ありとあらゆるものを製造する大手10社が市場をほぼ独占している。景気の低迷を受けて、各企業が事業の効率化を迫られているわけだが、どの事業に特化するのかで、悩んでいるというのが現状だ。

 一方、半導体を手掛ける米国の企業は、日本企業と比較して新しい。企業もインテルのように大きい会社から、資金源が少なく、工場を持たない小企業までが混在している。この大小企業の混在が競争を激化し、現在の活気をもたらしたと考える。

 日本企業は、毎日のように継続的に小さい進歩をするのは得意だと思う。また、新製品の開発期間も長い。顧客の満足度も重視する傾向があるようだ。

 米国では、デザインの価値を重視し、4から6ヵ月ごとに新製品を導入する傾向がある。

 現在、日米企業はお互い持っていないものを得るように努力しているようだ。

 わたしは市場競争が、企業を強くしていると考える。米企業が強くなったのは、日本企業との競争があったから。同じ事が日本企業に関しても言える。今後、半導体分野だけでなく、コミュニケーション、インターネット、ソフトなどあらゆる分野において、日本でのビジネスチャンスはあると考えている」

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