日本ヒューレット・パッカード(株)(以下日本HP)は25日、記者会見を開き、同社の米本社である米ヒューレット・パッカード社(以下HP)と、日立ソフトウェアエンジニアリング(株)(以下日立ソフト)、丸紅(株)が共同出資して新会社を設立することを発表した。3社はシステム構築、コンサルティングなどそれぞれ得意とする分野のノウハウを持ち寄ることで、統合的なサービスを提供したいとしている。
右から、日本HPソフトウェアエンジニアリング本部長の岡田一夫氏、日本HPの寺澤正男社長、HPのソフトウェアエンジニアリングジェネラルマネージャのロン・エックハート氏、丸紅の永田輝夫取締役、日立ソフト佐藤孜社長 |
新会社の名称は「ヒューレット・パッカード・ソリューションデリバリ株式会社」。事業内容は、企業におけるネットワークなど情報システムのインフラ構築や、業務アプリケーションなどの導入およびコンサルティングサービスとなる。
今回の提携は、今後成長が予想されるSI市場で、単独でビジネスを展開するよりも、提携によって相互に補完しあってより大きなビジネスチャンスを得たいという3社の思惑が一致して、実現したものだという。
新会社は3月下旬の設立を予定しており、資本金は11億円で、従業員規模は初年度で100名程度となる。出資比率はHPが51パーセント、日立ソフトが34パーセント、丸紅が15パーセント。新会社の社長には、日本HPソフトウェアエンジニアリング本部長の岡田一夫氏が内定している。従業員構成は、日本HPから全体の6割程度、日立ソフトから30~40名、丸紅から3~5名となる。
岡田一夫氏。新会社の社長に内定している |
新会社の中心的役割を担うHPは、ネットワークサーバーなどハードウェアや、ERP(統合業務パッケージ)、SCM(サプライチェーンマネジメント)などシステム、ソフトウェア全般を提供する。日立ソフトは、ソフトウェア導入の際のコンサルティングや、HP製品でカバーしきれないニーズに対応してサービスを提供する。丸紅は、同社が構築しているシステムの販売チャネルを生かして、顧客に対する営業および導入前のコンサルティングを担当する。
日本HPの寺澤正雄社長は、「日立ソフトのソフトウェア技術力、丸紅の豊富な販売チャネルを、HPの製品と組み合わせることで単独では実現できないきめこまかいサービスの提供を目指す」とコメントした。
社長に就任する岡田氏は、「従来のハードウェアだけを提供するいわゆる“ハコ売り”では現在は通用しない。SIビジネスでの成功が難しいことは認識しているつもりだ。コンサルティングを含めた技術力と幅広い販売チャネルを持つパートナーと協力して、“山椒は小粒でもピリリと辛い”をモットーに、フットワークを活かして市場に認知される企業に育てたい」と抱負を語った。