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【『共生する/進化するロボット』展】早稲田大学ヒューマノイドプロジェクトのロボットが勢揃い

1999年02月22日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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 NTTインターコミュニケーション・センター(株)(ICC)が東京・初台の東京オペラシテイで開催中の“『共生する/進化するロボット』展”では、20日と21日、早稲田大学ヒューマノイドプロジェクトで創られた4体のロボットが一般向けに公開された。滅多にみられないロボットのデモンストレーションということもあって、会場である東京オペラシティ5階のロビーには、大勢の観客がつめかけた。



●2足歩行型ヒューマノイド“WABIAN”

 まず最初にデモンストレーションが行なわれたのは、2月3日の早稲田ヒューマノイドプロジェクト参加者による講演(関連記事)でも紹介された、2足歩行型ロボット“WABIAN”。早稲田大学機械工学科の高西淳夫研究室が開発したもので、巨体をゆすりながらゆっくりと歩く姿には観客からどよめきがあがった。

Pentiumを搭載したPC/AT互換のCPUボードで、ACサーボモーター15基とDCサーボモーター16基を制御しているという Pentiumを搭載したPC/AT互換のCPUボードで、ACサーボモーター15基とDCサーボモーター16基を制御しているという



●表情表出機能を有する人間形頭部ロボット“WE-3RII”



 同じく高西淳夫研究室で開発された、表情表出機能を有する人間形頭部ロボット“WE-3RII”。明るいほうをみる習性があり、指し示られた電球を視線で追う。ただし、明るすぎると目を閉じたり、顔をしかめたりする。また、怒った顔、泣いた顔、びっくりした顔など6つの表情を表すことができる。

電球が近づくとまぶしいので目を閉じて顔をそむける 電球が近づくとまぶしいので目を閉じて顔をそむける



 

 

左から、怒った顔、泣いた顔、びっくりした顔 左から、怒った顔、泣いた顔、びっくりした顔



●人と機械のコミュニケーション研究のためのロボット“ロビタ”

“ロビタ” “ロビタ”



 電気電子情報工学科の小林哲則研究室が作った“ロビタ”は、話をしている人の顔や動作を認識する機能が搭載されている。誰が話しているかを認識する“話者認識機能“が搭載されており、複数の人間との対話をめざして開発されたもの。

右上のスクリーンには、ロボットが見た画像が表示されている
右上のスクリーンには、ロボットが見た画像が表示されている



●感情モデルを持ったロボット“WAMOEBA-2”

 いままで紹介された3つのロボットが人間の持つ機能をロボットで再現することに主眼がおかれていたのに対して、機械工学科の菅野重樹研究室が作った“WAMOEBA-2”は、自己保存本能を持たせる、つまりみずからのハードの状態をウォッチしながら、動作を決定するプログラムが搭載されている。

“WAMOEBA-2”
“WAMOEBA-2”



 “WAMOEBA-2”では、CCDカメラ、マイクなどの周囲の状態を感知するためのセンサー類も、バッテリーの充電の状態で感度がコントロールされる。また、モーターの温度によって冷却ファンの回転数をコントロールすることもできる。また、バッテリーが少なくなると“ハングリー”という声をあげ、人間に充電を要求することもできる。「生物との対比でいうと、まだ両性類レベルでこれがは虫類になるにはまだまだ時間がかかる」(菅野重樹研究室)という。

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