このページの本文へ

マニュジスティックス・ジャパン、経営改善のため、経営体制の刷新を発表

1999年02月10日 00時00分更新

文● 報道局 白神貴司

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 サプライチェーンマネジメント(*)のシステムベンダーで、米マニュジスティックス社の日本法人、マニュジスティックス・ジャパン(株)は、米本社の'99年度第3四半期決算を発表するとともに、全社規模のリストラと経営方針の見直しを行なうことを明らかにした。

マニュジスティックス・ジャパンの坂寄嗣俊社長
マニュジスティックス・ジャパンの坂寄嗣俊社長



北米地域での販売不振が全社業績に波及

 米マニュジスティックス社は'98年12月、'99年度第3四半期('98年9月~11月)の収益が1500万ドル(約17億2500万円)の赤字になったと発表。'99年度第1四半期から第3四半期('98年3月~11月)までの3期通算で、3800万ドル(約43億7000万円)の損失を計上したことも明らかにした。同社CEOのウィリアム・M.ギブソン氏は通年での赤字決算は避けられないことを認め、さらに他社との資本提携を示唆する発言をしたことから、様々な憶測を招いた。これを受け、マニュジスティックス・ジャパンは全社規模の経営方針に関する説明会を開催することとなった。

 マニュジスティックス・ジャパンの坂寄嗣俊社長は、業績悪化の要因として、以下のような理由を挙げた。

  • 北米地域における競争激化とそれによる販売不振
  • '97年度同様(約80パーセント)の成長率を見込んだ投資の増加と、営業担当者を約2倍に増員したことによる人件費の増加
  • '98年3月に買収した半導体メーカーTyecin社の負債が足かせになったこと
  • メインターゲットである消費財メーカーが、西暦2000年対策にコストを集中したことによる、SCMシステム販売の不振


 米マニュジスティックス社ではこの不振の責任を取ってギブソン氏がCEOから会長職に退き、現在新たなCEOを人選中という。また、全社規模でリストラを断行、間接部門を中心に約30パーセントにあたる400人の人員を削減した。

独立ベンダーとしての地位を維持

 同社では、2001年まで年率40~60パーセントの成長を見込んでいる。'99年度は通年で赤字になる見通しだが、リストラと販売戦略の見直しで、2000年度第1四半期('99年3月~5月)には黒字に転じるという見通しを示した。

 坂寄氏は、「米国での発表後、当社が外資系パソコンハードウェアメーカーに買収されるのではないかといった憶測が飛び交った。実際、複数の企業との提携を考えたことも事実。しかし、株主やユーザー、パートナー企業にとって、マニュジスティックスが独立ベンダーでありつづけることが最善と考え、提携や資本提供の方針は採らなかった」とコメントした。

電子商取引分野へ注力

 今後成長が予想される企業間の電子商取引分野へのアプローチを行なうことも併せて発表された。

 これは、電子商取引における商品の流通、在庫管理、受発注業務などを統合的にサポートするシステム。『e-Chain』と名づけられたこのシステムは、ネットワーク管理、顧客情報の管理、商品の在庫管理および流通経路の確保などのシステムをユーザーごとにカスタマイズして提供する。

注)サプライチェーンマネジメント:製造業などを対象とした生産・物流管理システム。原材料購入から製品出荷までの物流や、在庫などの管理を行なう。米国では消費財、ハイテク関連企業などを中心に導入されている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン