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次世代の液晶ディスプレー技術は~“21世紀型液晶ディスプレイはこうなる!”セミナーが開催

1999年02月09日 00時00分更新

文● 報道局 佐々木千之

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 東京・千代田区の明神会館において9日、(有)産業タイムズ社 半導体新聞事業部主催による“21世紀型液晶ディスプレイはこうなる!~ついに見えてきた強誘電性/反強誘電性液晶の可能性”と題した技術セミナーが開催された。

「これからはLCDも動画対応でなくてはならない」という、山口東京理科大学の小林駿介教授。教授が所長を務める同大学の液晶研究所では、日本学術振興会の未来開拓学術推進事業の1つとして、"超高速・超コントラスト比LCD"プロジェクトを平成10年度から開始しているという 「これからはLCDも動画対応でなくてはならない」という、山口東京理科大学の小林駿介教授。教授が所長を務める同大学の液晶研究所では、日本学術振興会の未来開拓学術推進事業の1つとして、"超高速・超コントラスト比LCD"プロジェクトを平成10年度から開始しているという



 基調講演を行なった、山口東京理科大学基礎工学部電子基礎工学科の小林駿介教授(同大学液晶研究所所長、日本液晶学会会長)は、「基本的に省エネルギー型である液晶ディスプレーは、省スペース性であることもあり、ますますその有用性を高める」、「(2004年までと計画されている)光ファイバー網が各家庭へ敷設されれば、伝送情報量は現在の1000~100万倍になり、動画の配信も行なわれるようになる。このような時代にはLCDも動画対応でなくてはならない」などと述べ、次世代液晶技術開発の必要性を強調した。

 続いて、“次世代の液晶技術”として強誘電性液晶(FLCD:Ferroelectric Liquid Crystal Display)および反強誘電性液晶(AFLCD:Anti Ferroelectric Liquid Crystal Display)を大学や企業で研究している技術者や研究者による講演が行なわれた。

 現在主流のLCDである、いわゆるSTN(Super Twisted Nematic)液晶やTFT(Thin Film Transistor)液晶に使われているTN(Twisted Nematic)デバイスでは、応答速度が遅い、視野角が狭い、反射型LCDでの明るさの不足、生産技術において一部に改良が必要であることなどが問題となっている(このうち視野角についてはほぼ解決されている)。これに比較してFLCD/AFLCDでは、10~1000倍以上の高速度応答、広視野角などが特徴である。短所としては、中間調が出しにくくフルカラー対応が難しいことなどが挙げられている。

 講演では、FLCD/AFLCDをTFTにより駆動したり、カラーフィルターを使わずにLCDを利用した時分割フルカラー表示といった研究成果が発表されていた。

 半導体産業新聞が主催する次回のセミナーは“韓国と台湾の半導体産業はどうなる? -2大牽引力の変化を徹底検証-”と題して3月18日に開催予定。

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