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デジタルハリウッドが“Web業界就転職特別セミナー”開催、3人の元OLが語るウェブ業界での成功の秘訣

1999年01月20日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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 デジタルハリウッド(株)が運営するデジタルクリエイター養成学校のデジタルハリウッドは、その東京校において“Web業界就転職特別セミナー”を開催した。同セミナーでは、デジタルハリウッドを卒業し、第一線のウェブクリエイターとして活躍している3人の元OLが、ウェブ業界での成功の秘訣を語った。

 同セミナーで自分の体験を交えつつ、ウェブページ製作の世界で生き残っていく術を語ったのは、松井理佳子さん(27歳)、中沢恵美さん(28歳)、星野綾子さん(29歳)の3人である。3人とも、もともとはOLだったが、デジタルハリウッドでウェブ制作を学んだ後にウェブクリエイターとして独立、フリーランスとして、あるいはデジタルハリウッドグループの派遣会社(株)デジタルスケープの派遣社員として、ウェブ制作の仕事をこなしている。ちなみに3人とも、すでに結婚しているという。

●ずっと続けられる仕事を求めて~松井理佳子さん~



 松井さんは、あるメーカーで工場の案内役の仕事をしていたものの、将来もずっと続けられる仕事をしたい、という理由から転職を決意したという。松井さんが、デジタルハリウッドに入校した時期は、ようやくインターネットの認知度が高まりつつあった時期だった。歴史もほとんどない業界なので、今入れば、経験がなくてもすぐに仕事を見つけられるだろう、という読みもあったという。'96年7月にデジタルハリウッドを卒業、PR代理店に就職して、実践をつみながら技術を習得していった。'98年1月にフリーとなり、デジタルスケープに派遣社員の登録をして仕事を続けている。なお、松井さんの仕事は、“insomania”という個人のサイトでリンクが貼られている。

「この業界は、企業に飛び込みで営業に行って仕事がもらえることはありません。ですから、前にいた会社で仕事をした先や、知り合いのつてで入ってくる仕事が多いですね。まだ、フリーになってやっと1年のため、初めてのクライアントの仕事は断れないこともあります。昨年の11月は、仕事が集中して、ほとんど寝る暇がありませんでした。受ける仕事の数をセーブしたいのですが、ある程度クライアントの数を増やしてからでないと難しいので、きた仕事を断れない状態は、しばらく続くと思います。今年も仕事三昧になりそうです」

「フリーになると仕事とプライベートの時間をどう分けるかが大変になります。プライベートな時間でも仕事が気になることもあります。自己管理ができないと、フリーでやっていくのは難しいと思います。私の主人は、ソフトの製作を行なっていますので、私の仕事には理解があります」

●会社でMacintoshをさわったのがきっかけ~中沢恵美氏~



 中沢さんは、もともとは広告代理店で営業をやっていたという。たまたま、その会社が全社的に導入したMacintoshを使っているうちに、デザインの仕事がしたくなったのが、デジタルハリウッドに入ったきっかけという。'97年7月に卒業し、デジタルハリウッドの講師をしながら、ウェブ制作の仕事を続けている。中沢さんの仕事には、富士通パーソナル(株)のユーザーサポートのサイト“るるぶん”などがある。

「私はMacintoshで絵が描ければいいと思ってデジタルハリウッドに入ったので、DTPのほうに行くつもりでした。学校にいる間に方向性を見つけるつもりでした。当時はインターネットなど見たことありませんでした。なんとなくウェブ制作の仕事が増えていったという感じです。ページを立ち上げるときに関わって、細かい仕事は相手先に任せ、リニューアルのときにまた関わる、というのが私の仕事のパターンです」

「私生活についてですが、“ほこりで死んだやつはいない”というのが持論でして、掃除も炊事もできるときにやればいいという感じですが、主人もフリーなのでなにも言ってきません」

●ものを作る仕事がしたかった~星野綾子さん~

 星野さんは、企業のプレミアムグッズを作る会社で営業をしていたが、ものを作る仕事をしたいという理由で、デジタルハリウッドに入校した。'97年7月にデジタルハリウッド卒業後は、デジタルハリウッドグループの(株)IMJでウェブ制作の仕事をした後、'98年10月に独立。デジタルスケープに派遣社員としての登録をして活動中。星野さんの仕事には、“DirecTV”などがある。



「私は、デジタルハリウッドを卒業後、すぐにIMJという会社に入りウェブ制作の仕事をしました。学校で教わることは、基本的なことばかりなので、そこで実戦を積んで仕事を覚えました。そこでは、毎日、朝7時に家を出て、終電で帰るという生活が続きました。上司からは、半年間で3年分の仕事をした、と言われたほど仕事をしました。ただ、ウェブ制作の仕事のスキルは、どれだけタグを組んだか、どれだけHTMLを書いたかで決まると思っていますので、IMJでは、非常に良い経験を積んだと思っています」

「フリーになってからは、むしろ自分の時間がとれるようになりました。会社に勤めていると、なかなか、ふられた仕事を断れなかったり、休みをとるにしてもせいぜい1週間という感じでした。でも、この年末年始は、きた仕事を断って旅行にいってきました。その点では、フリーのほうが自由がきくと思います」

 講演後、会場から、「現在の収入に満足していますか?」という質問があった。3人の回答は、「自分の働いている時間を考えると、まずまずかなという感じ」(松井さん)、「満足しているが、もっと上を狙いたい」(中沢さん)、「満足していない」(星野さん)というものだった。

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