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膝上20cm騒動から丸3年、大日本スクリーンがショールームを集約して機能強化

1999年01月07日 00時00分更新

文● 報道局 中野潔

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 大日本スクリーン製造(株)は、東京におけるショールーム機能を、東池袋の社内通称“大塚ビル”に集約して機能強化する。現在同社で東京でのショールーム機能を果たしているのは、“大塚ビル”と渋谷駅近くにある“サイバープラザPROVISION”。前者が伝統的な印刷業務を、後者がデジタルクリエーション、電子商取引マーケティングに進出している印刷会社、メディア関連企業を対象としている。両者の機能を、“大塚ビル”に集約し、より多面的なソリューションの提供を目指す。

 大日本スクリーンのショールーム集約は、一般企業における紙媒体を含むマルチメディアの使いこなしが第2段階に差し掛かったことを示している。一般企業が、インターネットやCD-ROMなどデジタル媒体を用いて、顧客にアピールしようとするとき、紙によるパンフレット、折り込みチラシなどとは、別物として扱うことが多かった。一般企業向けにそうした販促物などを制作する印刷会社やメディア関連企業でも、紙媒体の事業部とは別に、デジタル媒体対応の事業部を新規事業として設けることが多かった。

 一般企業が不況のためマーケティング費用の効果を厳密に測り始めたこと、ワントゥーワンマーケティングのためのツールが充実してきたことなどにより、紙媒体とデジタル媒体とを有機的に組み合わせようという動きが本格化してきた。印刷会社、メディア関連企業としては、それらを有機的に組み合わせたマーケティング方策を一般企業に提案できなければ、生き残れない。印刷会社、メディア関連企業にツールを売り、ソリューションを提供している大日本スクリーンとしては、それらを総合的にデモンストレーションしなければ、ビジネスが広がらない。

 こうした事情が、今回の同社のショールーム集約の背景にある。ちょうど3年前にデジタル事業者向けのショールームとして開設した“サイバープラザPROVISION”が、渋谷という立地を生かして、そうした業界へ大日本スクリーンのブランドを十分浸透させたという判断もある。同時に実施される組織変更では、デジタルクリエーター向けの素材CD-ROMなどを出しているMIXA(マイザ)事業部を、“PROVISION”の事業部と合体させて、組織面での厚みも増す。

 “PROVISION”の開設の際には、併設するインターネットカフェのウェートレスの制服を膝上20cmにしようという案が持ち上がった。実際にはそれは採用されなかったにもかかわらず、提案段階で耳にした印刷業界団体の職員が、有力経済誌などにその話を“垂れ込んで”一騒動起こすなど、話題をまいた。

 物理的に重い出力機器などは“大塚ビル”の2階から1階のショールームに移すなど、今回の改変は、地に足のついたものとなる。膝上20cm騒動から丸3年、'99年は大日本スクリーンのマルチメディア事業の足元を固める年となりそうだ。

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