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アキア、カシオ傘下入りを交渉中であることを認める

1998年12月21日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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  パソコンの開発・販売を行なうベンチャー企業のアキア(株)は、一部で報道されているカシオ計算機(株)への傘下入りに関して、「現在、カシオ計算機と交渉中である」(アキア広報部)ことを認めた。カシオ計算機側も、アキアとの交渉を進めていることを認めている。

カシオ計算機(株)の本社
カシオ計算機(株)の本社



 報道されている内容は、'99年早々にも両社が共同出資で新会社を設立してアキアのパソコン事業を継承、旧アキアが休眠会社になる、というもの。また、新会社の社長には、飯塚克美アキア社長が就任するが、新会社の株式の過半数はカシオ計算機が保有し、アキアは事実上、カシオ計算機の傘下に入る。ASCII24の取材に対し、両社ともに、「現在は、交渉中であり具体的なことは何も言えない。また、交渉自体が成立するかどうかも、現時点では未定」と回答している。

 アキアは、デルコンピュータ(株)の社長だった飯塚克美氏が、'95年9月に設立した会社で、省スペース型のデスクトップパソコンのヒットによって業績を拡大した。

 しかし、'96年にMacintosh互換パソコンの企画・販売を開始したものの、'97年に突如米アップルコンピュータ社が互換機戦略を中止、また、不況によるパソコン市場の急激な縮小も加わり業績は急速に悪化した。民間の信用調査期間の帝国データバンクの調べでは、'97年6月期に124億円あった売り上げが、'98年6月期には70億円にまで縮小している。アキアの広報担当者は、カシオ計算機の傘下入りに関し、「経営自体が今すぐ危ない、ということではないが、厳しい経済環境の中で、資金的にも経営を安定させるためのパートナーを探してきた」とコメントしている。

 また、'98年にノートパソコン『カシオペアFIVA』によってパソコン事業に再参入したカシオ計算機にとっても、パソコン事業に関するノウハウのあるアキアを傘下におさめることのメリットがあるといえそうだ。

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