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【Oracle Open World 1998】「インターネットコンピューティングの時代がくる」~ラリー・エリソン米オラクル会長兼CEOの基調講演

1998年12月16日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

 東京有明の東京ビッグサイトで開催中の“Oracle Open World 1998”(日本オラクル(株)主催)では16日、ラリー・エリソン(Lawrence J. Ellison)米オラクル社会長兼CEOを迎え、基調講演とプレスカンファランスを開催した。同氏は、「現在のクライアント/サーバー型のシステムに替わり、インターネットコンピューティングの時代がまもなくやってくる。米マイクロソフトの独占は終わる」と、強気の見通しを述べた。

基調講演では、新データベースソフト『Oracle 8i』を紹介

ラリー・エリソン(Lawrence J. Ellison)米オラクル社会長兼CEOラリー・エリソン(Lawrence J. Ellison)米オラクル社会長兼CEO



 ラリー・エリソン(Lawrence J. Ellison)米オラクル社会長兼CEOは、基調講演において、まずコンピューターネットワークの未来像について述べた。同氏は、「現在のクライアント/サーバー型のコンピューターネットワークは、インターネットコンピューティングに置き換わる」との見通しを示した。

 「規模の小さなサーバーにクライアントマシンがつながる現在のLANを基礎としたネットワークは、コストの面からやがて行き詰まる。なぜなら、クライアント/サーバー型のシステムは、システムの数だけデータベースを持つことになり、必要なデータを集めるのに、多くのシステムにデータを問い合わせなければならないからだ」

 エリソン氏は「クライアント/サーバー型のシステムはいずれ、インターネットコンピューティングに置き換わる」と主張。「インターネットコンピューティングを支えるのは、メガサーバーとサーバーアプライアンス型のシステム。メガサーバーを核にしたインターネットコンピューティングならば、大企業であっても支店すべてのデータを、1つのサーバーで、一元的に管理することが可能となる」と、具体的に利点を説明した。また、「メガサーバーにアプリケーションを収納しておき、必要に応じてアプリケーションを使用するサーバー・アプライアンス型のシステムが主流となる」と、インターネットコンピューティングの全体像について解説した。

 続いて、次世代におけるインターネットコンピューティングの概念を取り入れて作られたデータベースソフト『Oracle 8i』が紹介された。『Oracle 8i』のiは、インターネットを意味するという。

 『Oracle 8i』は、データベースソフトであると同時に、Java2対応のアプリケーションサーバーとしての機能も備えている。また、iFS(internet File System)という機能を搭載しており、米マイクロソフト社の『Word』や『Excel』といったアプリケーションで作成されたファイルを読みこみ、HTML形式に変換して保存する機能も搭載されている。このiFSの機能によって、さまざまなアプリケーションで作成されたファイルを一元的に管理できるようになるという。また、米インテルが開発中の64bitプロセッサー『IA-64』もサポートすることを表明している。

プレスカンファレンスも開催

 基調講演の後には、プレス向けのカンファランスもあわせて開催された。基調講演で示したビジョンに関する質問のほか、米マイクロソフト社のピル・ゲイツ会長兼CEOに関するコメントも飛び出すなど、熱気のこもったものとなった。

「ビル・ゲイツ氏は執着心の強いビジネスマン」とエリソン氏 「ビル・ゲイツ氏は執着心の強いビジネスマン」とエリソン氏



----先ほどの基調講演で、サーバー・アプライアンス型のシステムが今後拡大するとおっしゃっていましたが、そうしたシステムが、既存のクライアント/サーバー型システムの出荷を上回るのはいつになると思われますか。

「オラクル製品に関しては、いまから2年後でも、これまでのクライアント/サーバー型のデータベースソフトが主流だと思います。ただ、4~5年後には、サーバー・アプライアンス型のシステムが主流になってくると思います」

----先日、米サン・マイクロシステムズ社と提携し、米サンのSolarisをコアとして、その上に『Oracle 8i』を搭載した製品を発売すると発表しましたが、ユーザーにとって何か影響がありますか。

「Solarisのテクノロジーのいろいろな部分を使用します。しかし、ユーザーインターフェースは、『Oracle 8i』のものなので、ユーザーにとっては、特に影響はないと思います」

----米サン以外に提携を考えている相手はいますか。

「われわれのインターネットコンピューティングの考え方に共鳴してくれる企業と提携を進めています。今後は、米デルコンピュータ社、米コンパックコンピュータ社、米ヒューレット・パッカード社の3社と提携することになると思います」

----先の基調講演で、メガサーバーについて触れていましたが、これを普及させるために米オラクルとして何か活動を行ないますか。

「インターネットコンピューティングを支えるものがメガサーバーです。米オラクルは、それをサポートする製品を作っていきます。しかし、製品以外で何かのイニシアチブを取ることはありません」

----先の基調講演では、米マイクロソフトのSQLサーバーについては、あまり触れていませんが、SQLサーバーについては、どのようにみていますか。

「日本オラクル(株)の佐野社長に、『米マイクロソフトのことはあまり言わないように』と言われていたので、基調講演では何も言いませんでした。しかし、いま質問されましたのでお答えします」

「当社のウェブページをみればわかるのですが、当社では、米マイクロソフトのSQLサーバーがオラクルデータベースの100分の1以上の処理速度があると証明できたら100万ドル(約1億1600万円)を贈呈する、という懸賞を実施しています。米マイクロソフトの社員が、当初はこの懸賞にチャレンジしようとしたが結局あきらめた、と聞いています。ブラウザーを真似して作るのは簡単ですが、データベースを作るのはそう簡単ではないということです。米マイクロソフトは、当社に追いつくのにまだ何年も努力を続けなければならないでしょう」

「また、クライアント/サーバー型システムのように、小さいサーバーと小さいデータベースをたくさん設置するシステムは、結局は高価なものとなり、データも分散することになります。大企業が、メガサーバーを使用したインターネットコンピューティングを採用するとコスト削減につながることはわかってもらえると思います。これは、中小企業でも同じことです。中小企業は、自社で従来型のクライアント/サーバー型のシステムを構築するよりも、インターネットシステムを利用して、各種業務をアウトソーシングするようになると思います。このほうが、中小企業にとっても割安にシステムを利用できることになるのです」

----米マイクロソフトの独占については、どのような意見をもっていますか。

「米マイクロソフトの独占は、自然に消滅すると思っています。これは、かつてのメインフレームの時代が、パソコンにとって替わられたこと同じことです。クライアント/サーバー型のシステムは、メガサーバーとインターネットコンピューティングに置き換わり、それとともに、米マイクロソフトの独占は終わります」

「しかし、独占の終わりが必然であっても、米マイクロソフトが過去に犯した犯罪は、罰せられる必要があります。過去に米インテルに対して、ソフトビジネスを止めるように脅迫したことなどは、犯罪として裁かれるべきです。ビル・ゲイツ氏は、こうした脅迫がイノベーションであると信じているようです」

----ビル・ゲイツ氏に会ったとはありますか。また、彼のことをどうみていますか。

「ビルとは、かつては友人でした。しかし、ビジネス以外のつきあいはあまりありませんでした。わたしは、彼を、決してあきらめないしつこいビジネスマンである、と思っています。彼は、すべてを自分たちでコントロールしたい、という願望がきわめて強いビジネスマンだと思います。わたしは、本を読んだり、ヨットに乗ったりしますが、彼はそういうことはしないと思います」

「最近、わたしはイギリスの首相だったチャーチルに関する本を読んでいます。チャーチルは、西側の文明を守った20世紀の英雄の一人だと思います。わたしは、チャーチルのようになりたいと思っています。しかし、ビル・ゲイツ氏は、そんなことはまったく考えないのでしょうね」

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