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【SEMICON Japan98】“Worldwide Semiconductor Industry Market Seminar”開催

1998年12月03日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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 SEMI(Semicoductor Equipment and Materials International)が主催する“SEMICON/Japan 98”では、SEMIマーケットセミナーとして“Worldwide Semiconductor Industry Market Seminar”を開催した。半導体や半導体製造装置の成長予測などの報告を行なうもので、釜原紘一WSTS(World Semiconductor Trade Statics:世界半導体市場統計)日本協議会会長などが、市場予測の報告を行なった。

●10月に策定されたWSTSの予測をもとに半導体産業の市場予測を発表

釜原紘一WSTS日本協議会会長
釜原紘一WSTS日本協議会会長



 WSTS(World Semiconductor Trade Statics:世界半導体市場統計)は、世界35社の半導体メーカーが売り上げなどの予測値を出しあい、それをベースに全世界の今後数年間の市場予測を行なうもの。この10月に策定された予測値をもとに、釜原紘一WSTS日本協議会会長が、市場予測の報告を行なった。

その内容は以下のとおり。

・メモリーやMPUなどを含む半導体全体の出荷額は、'98年は1220億ドル(約14兆6400億円)で、これは前年比10.9パーセント減の大幅な落ち込みを示している。しかし、'99年は1300億ドル(15兆6000億円)、2000年は1480億ドル(約17兆7600億円)、2001年は1720億ドル(約20兆6400億円)と、'99年以降は回復に転じると予測している。

・'98年が大きく落ち込んだ要因は、「アジアの経済危機と、日本の景気悪化の2つが大きく響いたのではないか」と、釜原氏はみている。また、'99年以降の回復については、「中長期的にみれば、半導体産業の成長は持続し、強い成長力を回復するだろう」との予測を示した。

・しかし、日本の半導体産業の市場規模は縮小傾向にある。'88年の日本市場は、世界シェアの40パーセントを占めて世界最大の半導体マーケットだったが、'98年は20パーセント、2001年には18パーセントにまで縮小すると予測している。この要因として、日本以外の地域で作られるパソコンが増加した、半導体の応用製品が日本以外の地域で製造・販売されるようになったことがあげられる。釜原氏は、「メーカーは世界を相手にビジネスをすればよい。しかし、日本の市場が相対的に小さくなっているのは非常に深刻な状態」と危機感を募らせている。

・メモリーの市場規模は、'95年の530億ドル(約6兆3300億円)をピークに、'98年は220億ドル(約2兆6400億円、前年比25.7パーセント減)にまで落ち込む。DRAM価格の急落が原因。しかし、'99年以降は64MB DRAMが急速に拡大するとの見通しから、'99年は240億ドル(約2兆8800億ドル)、2000年は280億ドル(約3兆3600億ドル)、2001年は340億ドル(約4兆800億ドル)にまで回復する。

・MPU、MCU(マイクロコントローラーユニット)、MPR(マイクロペリフェラル)の市場規模は'98年は462億ドル(約5兆5440億円)と前年比3.2パーセント減。しかし、'99年以降は、MPUを中心に回復に転じ、3製品全体の市場規模は'99年502億ドル(約6兆240億円)、2000年579億ドル(約7兆9480億円)、2001年679億ドル(約8兆1480億円)になるという。


●300mmウエハー工場は、2000年に急速に立ち上がる

SEMIジャパンの小松崎靖男マネージャー
SEMIジャパンの小松崎靖男マネージャー



 続いて、SEMIジャパンの小松崎靖男マネージャーが、独自に調査を行なった世界の半導体工場の建設計画についての報告を行なった。

・200mmウエハーを使用する半導体工場では、'98年は0.25μmプロセス技術にもとづく半導体生産が73パーセントを占めている。しかし、'99年は、0.25μmプロセス技術に基づく生産は43パーセントになり、0.18μmによる生産が37パーセントに拡大。さらに2000年には、0.15μmが11パーセント、0.18μmが30パーセント、0.25μmが43パーセントという構成になる。

・プロセス技術の世代交代は、0.18μmへの移行が'99年に、0.15μmへの移行が2001年に、0.13μmへの移行が2003年に、2年ごとに生じると予測している。これは、3年おきに世代交代するとの昨年までの予想よりも、サイクルが短くなっている。

・300mmウエハーは、2000年には月産1万枚級の工場が立ち上がり、生産が本格化する。月産2万枚超の工場は2002年には稼働する、との予測を示している。

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