米ネバダ州ラスベガスで開催中の“COMDEX/Fall'98”で17日(現地時間)午後、Craig
Barrett米インテル社長兼CEOによる、一風変わった基調講演が行なわれた。これはABCで平日深夜に放映中の人気TVショー、“Politically
Incorrect”をもじったもの。同番組の人気ホストBill Maher氏を進行役に、“Technologically
Incorrect”というトークショーを開催し、Barrett氏がゲストとして出演するという趣向をこらしたものとなった。
真ん中がホスト役のBill Maher氏。その向かって右隣がCraig Barrett米インテル社長兼CEO |
“Technologically Incorrect”には、Barrett氏のほかに3人のゲストが登場。評論家として名高いEsther
Dyson氏、科学テレビ番組のホストとして人気のBill Nye氏、評論家兼コメディアンのPenn
Jillette氏という、そうそうたる顔ぶれが集まった。
トークショーではホストのMaher氏を中心に、爆笑トークが繰り広げられた。その話題はもっぱら、コンピューターをはじめとするテクノロジーの意義について。Maher氏は自らの失敗談をもとに、“コンピューターは使いにくい、いらない”という趣旨の発言を繰り返す。そのユーモラスな言い回しに、しばしば場内は爆笑の渦となった。しかし、Barrett氏が、「コンピューターやテクノロジーについて、きちんとした教育を行なう必要がある」と諭すように発言すると、このときばかりは場内から拍手が起きた。
身振り手振りを交えながらトークを行なうCraig Barrett氏 |
話が進んで、Maher氏がビル・ゲイツ米マイクロソフト会長兼CEOの名前を出すと、すかさずBarrett氏は、「彼は日曜の夜の担当。今日は火曜日なんだから……」とアドリブを入れ、TVタレントとしての才能の片鱗(?)をみせていた。そして、Maher氏がマイクロソフトの独禁法違反裁判について、司法省・米マイクロソフト・その他のメーカーの言い分がまったく違うことを指摘しながら“Who
is right?(誰が正しいんだ?)”と尋ねると、Barrett氏は肩をすくめて両手を広げ、“さぁ?”というポーズをとって笑いを誘った。
コンピューターやテクノロジーの意義について、時には白熱した議論を繰り広げられたシーンもあったが、場内は終始笑いに包まれていた。“Technologically
Incorrect”は、非常に楽しいトークショーであった。