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日本サン、『Solaris 7日本語版』を発表

1998年11月17日 00時00分更新

文● 報道局 小林久、山本誠志

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 日本サン・マイクロシステムズ(株)は、64bit対応のOS『Solaris 7』日本語版を発表した。本日の記者発表会には、米サン・マイクロシステムズ社Solaris Software DivisionのプレジデントであるJohn S.McFarlane(ジョン・S・マクファーレン)氏などが出席。新製品『Solaris 7』の機能紹介を始め、『Solaris 7』の後継バージョンである『Solaris 8』、『Solaris 9』のロードマップなども示された。

米サン・マイクロシステムズ社Solaris Software DivisionのプレジデントJohn S.McFarlane氏 米サン・マイクロシステムズ社Solaris Software DivisionのプレジデントJohn S.McFarlane氏



 『Solaris 7』は、『Solaris 2.6』の後継となるSolarisシリーズの新バージョンで、従来『Solaris 2.7』と呼ばれていたのが改称されたもの。米国では10月27日(現地時間)、すでに同製品の発表が行なわれている。『Solaris 7』の最大の特徴は、従来からサポートされてきた64bit演算と64bitファイルシステムに加え、新たに64bit仮想アドレス空間に対応したこと。それに伴い、64bitのCPUを最大64基、16EB論理メモリー(E=Exa:10の18乗)での使用が可能になった。

 SPARC版とインテル版の2種類が用意され、同社のUltraSPARCプロセッサーとインテルのIA64にそれぞれ対応している。また、32bitアプリケーションとの互換性もバイナリーレベルで保たれており、従来のソフトウェアを修正なしに使用できるという。

 それ以外の特徴としては、RAS(Reliability、Availability、Scalability)の向上、電源を入れたままCPUやメモリーの抜き差しができる“ホットプラグ”への対応、日本語を含む37言語のサポートなど。なお、文字コードには拡張Unicodeを採用している。

 今回、記者会見に出席したマクファーレン氏は、「2000年以降、インターネットがビジネスの必須条件となる」と指摘。誰もが、いつでも、どこでも、どんなデバイスでもインターネットに接続できる状態を「世界が“.com”化する」というキーワードで表現した。同氏は「PCの時代は終わった。PCはなくならないが、その役割は徐々に減っていく」と述べた。併せて同氏は「バックエンドは『Solaris』によってエンパワーされ、そしてそれはJavaによってデリバーされる」と述べ、JavaとJiniによってネットワーク端末は家電化するという同社のビジョンを改めて強調した。

 また、『Solaris 7』系列のサーバーソフトウェアの新製品として、ワークグループ向けの『Solaris Easy Access Server 2.0』の発表も行なわれた。今回の『Solaris Easy Access Server』と、すでに発売されているインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)向けの『Solaris ISP Server』、今後、発売されるデータ・ウェア・ハウスやERPなども視野に入れた『Solaris Enterprise Server』によって、小規模な組織からISPなどにまでいたる一連のマーケットに『Solaris 7』が対応する見込みだ。

 『Solaris Easy Access Server』では、Javaベースのシステム管理ツール『Solaris Management Console』、インストール用のウィザードである『Solaris Web Start Wizard』のほか、SMB(Server Maasage Block)やApple Talkなどのネットワークプロトコルに対応する『Sun Link PC』、LDAP v3(Lightweight Directory Access Protocol Version 3)対応のSun Directory Serviceなどが提供される。『Solaris Easy Access Server』の価格は9万9000円。

『Solaris Management Console』
『Solaris Management Console』



『Solaris Easy Access Server』
『Solaris Easy Access Server』



 なお、Solarisシリーズの今後のロードマップに関しても説明された。同社では、内部α版の段階である『Solaris 8』、その次期バージョンの『Solaris 9』と、15~16ヵ月周期で次々にバージョンアップしていく予定。マクファーレン氏は、講演の中で、『Solaris 8』では、カーネルベースでのクラスタリング、8Way×64台のプロセッサー、LDAPやActive Directoryへの対応などがなされると語った。また、『Solaris 9』では初めてのJini対応のOSを発表することなどと述べている。

 『Solaris 7日本語版』は、カーネル、API、コマンド、ライブラリ、ネットワークソフトウェアから構成される。また、Javaアプリケーション開発ツールの『Java Development Kit』、GUI環境を提供するCDE/デスクトップなどが提供される。価格は、『Solaris 7 Intel版デスクトップ』は9万9000円、『同サーバ』(1~4CPU、5ユーザー)が13万5000円。SPARC版については11月1日以降に発売された同社製品にハードウェアバンドルされる形で提供される。なお、それ以前のユーザーに対するアップグレード版の販売も行なう予定だが、価格に関しては未定。

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