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第34回 1998年国際放送機器展~Inter BEE '98開催

1998年11月12日 00時00分更新

文● 報道局 伊藤咲子

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 11月11日、千葉市・日本コンベンションセンターにて、放送技術・機器の専門展示会“第34回 1998年国際放送機器展”が開幕した。放送局技術者・番組制作会社を主な対象とし、入場は無料で登録制となっている。会期は11月13日まで。

 アメリカでは、今年11月に一部地域で地上波デジタルテレビ放送が始まった。日本国内でも、2000年にBSデジタル放送、2003年に一部地域で地上波放送が開始される。急速に進む放送のデジタル化を控え、展示会場ではデジタル放送分野での新製品/参考出品が目立った。

HDTVコンテンツ編集システム

 参加各社は、HDTV(高品位テレビ)放送に対応した、放送局や番組制作プロダクション向けの画像編集システムを展示した。

 松下電器産業(株)は、『DVCPRO 50』『DVCPRO P』などを展示。これらはカメラレコーダー、ポータブルVTR、フィールドレコーダーなどで構成されるシステム。同社では、この『DVCPRO』シリーズを全民放局127局中88局に納入したとしている。また、別室には特別来賓向けに最新の『DVCPRO 100』を用意したそうだが、一般にはまだ公開できないそうだ。

松下ブース。『DVCPRO 50』シリーズ
松下ブース。『DVCPRO 50』シリーズ



 ソニー(株)は、収録・編集などの制作分野向けシステムのHDVSシリーズを出品している。

ソニーブース。HDデジタルビデオスイッチャー『HDS-7000』
ソニーブース。HDデジタルビデオスイッチャー『HDS-7000』



 日本電気(株)は、トータルデジタルソリューションと銘打ち、特設ステージの左に編集装置、右にディスプレーを設置。ステージ上のモデルをデジタル対応のカメラ撮影するというデモを行なった。

NECブース。アナログ映像とデジタル映像を比較している
NECブース。アナログ映像とデジタル映像を比較している



 日本ビクター(株)はHDTV対応のコンシューマー向けディスプレーを参考出品。価格、発売日は未定。

日本ビクターブース
日本ビクターブース



アナログとデジタルの電波が混在する過渡期では、どうやって番組を送信するの?

 アナログ放送からデジタル放送への過渡期には、入力素材がSDTV(現行テレビ水準の標準画質テレビ)D1・同D2、HDTV、MPEG2など多種の信号形式が混在するのを避けられない。従来、アナログ放送ではセグメントが1つだったため、それぞれ随時変換されて伝送されていた。だが、地上デジタル放送暫定方式のISDB-Tではセグメントを3つに分割して使用できるようになるため、同時に複数の変換作業を行なわなければならなくなる。

 (株)東芝では、多種の信号形式が混在する場合でも、素材の方式を変換せずに信号の伝送と送出が行なえるマトリックス装置『レートマトリックス』を出展した。この装置を介すことで、自動番組送出装置(Auto Program Contoroler)の制御のもとで信号を切り替え、番組を送信できる。これにより、多種の信号に同時に対応しなければならない“まだら放送”構成にも経済的に対応できる。

東芝ブース。レートマトリックス装置
東芝ブース。レートマトリックス装置

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