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“漢字URL”論議が飛び出したMPUセミナー

1998年11月04日 00時00分更新

文● 報道局 横田雅美

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 9月30日、東京・西新宿のデジタルクリエーターカレッジWAO!で「MPU(マルチメディア・プロデューサーズ・ユニオン)の10月定例セミナー」が開催された。今回のテーマは(1)東芝『MobileMotion』による動画コンテンツの作成、(2)“漢字URL”の開発・利用、(3)デジタルコンテンツビジネスのユーザーサポート業務について--の3点。“漢字URL”が完全に実用化すれば影響は大きい。

ストリーミング再生可能な『MobileMotion』

 まず、(株)東芝・ネットワークコンピューティング事業推進部の石坂徳敏氏が、同社の『MobileMotion』を利用して画像や音声を配信する方法を解説した。

 現在、世界標準とされる“MPEG-4”を採用した。“MPEG-4”は、“MPEG-1”やテレビ電話などに使われる“H.261”などを包含するもの。“MPEG-4”を採用した同製品では、まず、多種のパソコン間で画像や音声がやりとりできる。また、既存のパソコンだけで動画の配信やコンテンツ制作ができ、MPEGボードなどの専用機器を必要としない。

 『MobileMotion』の特徴はAVIファイルなどをダウンロードしながらストリーミング再生ができること。同氏は、アナログやISDNでのデモを通じて、画像の滑らかさを強調した。今後、モバイル環境を整えようとしている教育現場などの市場を狙っていると語った。

“漢字URL”を活用したコンテンツパブリッシング

 次に、(有)バリアフリー社長の林毅氏が同社の開発した“漢字URL”について説明した。同システムはブラウザーによっては動作が保証できないため、現在、実験サービスとして無償で提供している。

 今までURLには、アルファベットや一部の記号しか使用できなかった。その点を克服し、全角の漢字やひらがなでも使えるようにしたのが、この“漢字URL”。ある文字列を入れるとURLに変換し、ホームページが見られるというサービスは、すでにアメリカでは実施されている。日本では雑誌「あちゃら」で、フィールドに番号を入力するだけで、URLに転送するサービスがあるという。こういった手法をとるならば、“漢字URL”という呼び方は不適切であろう。そのかわり現在のURLの仕組みを壊すことがないので、不測の事態を招く可能性は小さい。

 同社では現在、「tel.to/」というドメインで電話番号をURLに使用できるサービスをしている。今後は、あいまい単語検索や中国語、韓国語系の文字列でも対応できるようにする予定。また電子メールソフトとの連携を推進していきたいという。来年度末にはサービスを有償化していく予定だと述べた。

サポートとはユーザーが自発的に楽しく使うためのお膳立て

 最後に、(株)キューアンドエー社長の須田騎一郎氏がコンテンツサービスにおける人材育成について講演した。同社では大手プロバイダー、学校、商社などのFAX、電話、電子メールサービスなどのカスタマーサポートを請け負っている。同氏は、サービスをユーザーに楽しく使ってもらうのが仕事だと強調した。

 同社は企業をクライアントにして、そのクライアントのサポート部門の役を果たす。そういったサポート業務を一手に引き受ける代わりに、クライアントには商戦に力を入れて欲しいという。そのための強力なスタッフを育成するのが目標だと述べた。

 同社では、自発的に学ばせ、教え合う企業風土を作ろうとしている。同社自身は、女性の社会進出の手助けになる企業になりたいと語った。そしてサービスを一定レベルで大量に提供していきたいという。

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