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Windows NT、UNIXで稼動するネットワークアプリ開発、運用環境、アップル『WebObjects』(下)

1998年11月02日 00時00分更新

文● システムコーディネーター 

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 “Windows NT、UNIXで稼動するネットワークアプリ開発、運用環境、アップル『WebObjects』(下)”をお届けする。(上)を読みたい方はここをクリック。『WebObjects(ウェブオブジェクツ)』は、アップル社のネットワークアプリケーション開発/運用環境。Windows NT、UNIXでの稼動が保証されているが、Mac OS X Serverでの稼動について正式アナウンスがまだ、という異色の製品だ。アップルコンピュータの事業推進本部事業開発部長の有本一氏をはじめとする3氏に最新バージョン『WebObjects 4』の概要と今後の事業展開について伺った。インタビューおよび構成は、システムコーディネーターの小林剛氏。今回は、そのうち後半部として、価格、Mac OS Xとの関係、開発、運用におけるライセンスの問題について述べた部分を掲載する。取材日時は、10月21日から東京国際フォーラム(東京・有楽町)で開催された“DATABASE'98 TOKYO”における『WebObjects』ワークショップの直後。

Mac OS X Serverでの提供も

 アップルの事業推進本部事業開発部長・有本一、事業推進本部プロダクトマーケティングソフトウェア製品担当課長・小林衛、事業推進本部事業開発WebObjectsビジネスシステムエンジニア・秋元雄二郎の3氏に伺った。

----WebObjectsで開発をはじめるには、何を用意すればよいでしょうか?

小林「『WebObjects 4』の特徴は“アウトオブボックス”であることです。『WebObjects 4』のCD-ROMを入れて、インストールして、キーを入れれば、そこからすぐ開発できます。開発を始めるために必要なものが、すべて一括インストールされます。データベースエンジンとして、『OpenBase Light』が付いてきます。プロトタイプや、ツールの動きを確認するような用途では、すぐに使えるのです。もしも今すぐ開発を始められるなら、Windows NTをご用意いただいいて、WebObjects 4をインストールして、ハイOKと言うわけです」(笑)

----あの、Windows NT以外の選択肢は……?(笑)

小林「『Mac OS X Server』のことですよね?(笑) 当然開発プラットホームのラインナップに入っています。ただ、いかんせんまだ未発表製品ですので、今の段階でお伝えできる材料がありませんが、安心していただいて結構です。Mac OS X Serverがリリースされた時には、その上できちっと動作しますし、最も使いやすいという点は、自信を持って言えます。

 しかし、QuickTimeもそうですが、WebObjectsもまったくオープンでニュートラルな立場なんです。“お客さまが使いたいプラットホームをお使いください”ということです」

WebObjectsについて語る3氏。向かって左から、秋元氏、有本氏、小林氏
WebObjectsについて語る3氏。向かって左から、秋元氏、有本氏、小林氏



「米国ではスタート時のパッケージは1499ドル!」

----WebObjects 4は、いつごろ、どのぐらいの価格設定で発売されるのですか?

有本「“いつごろ”と言うことはできませんが、米国では近々出ますので、遠くないとお考えください。価格については、日本にも反映される部分ですから、米国での価格帯からご想像いただけるかと思います」

----最初の開発用を購入した時点では、どの程度のことまで行えるのでしょうか? また、運用のライセンスはどのように支払うことになりますか?

小林「これははっきりしています。毎分25トランザクションまでは、開発パッケージの中にバンドルされるデプロイライセンスでサービスが御提供可能です」

有本「運用のライセンスは、管理上で言えば別の製品になります。最初の開発をする為には、『WebObjects 4 Developmet/Deployment(ウェブオブジュクツ4・デベロップメント/デプロイメント)』(1499ドル)という開発ツールがあります。まず一番お安い価格で購入、開発していただき、そのままテスティングなどで運用していただけるようなものを提供します。まず小規模でスタートして、それをより大きな所で展開していただく時には、次に『WebObjects 4 Deployment(ウェブオブジュクツ4・デプロイメント)』(7500~5万ドル)というパッケージをご購入いただく形になります」

小林「価格については、購入の時点で、具体的には毎分のトランザクション数や、CPUの構成、想定されるユーザ数、インストールするマシンが決まると、値段が決まるようになります」

アップルにとってのWebObjects

----では最後に“アップルにとってのWebObjects”とは何ですか?

有本「全体としてWebObjects自身は、これだけオープンであり、言い方は適切かどうかわからないが、プラットホームとなるようなテクノロジーですので、もっとロングタームの戦略のなかで、重要な位置を占めていくものだと思います。

 一口で言えば、アップルはクライアントの世界では非常に良い面を持っている。しかしサーバーの世界に関しては、十分なソリューション提供をできなかった。それが我々として、今やっとスタートに立った、ということだと思います。トータルとして提供できるソリューションの、もう一方を広めていける非常に重要な製品です」

 『WebObjects 4』は、Webパブリッシングに対するアップルの挑戦状なのだと筆者は考える。そこには、何かを変えよう、動かそう、としているエネルギーが見えかくれしている。iMacがハードウェアの世界をひっくり返したように、『WebObjects 4』が、何かを巻き起こしそうな、そんな予感を感じずにはいられない。

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