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自動車保険への他業種からの進出活発化、先鞭をつけるのは情報通信産業

1998年10月28日 00時00分更新

文● 報道局 植草健次郎

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 自動車保険などの保険業界への他業種からの進出が増えている。なかでも情報通信産業から保険業界へ乗り出していくケースが増加している。(株)SASインスティチュート ジャパンと(株)金融エンジニアリング・グループは、自動車損害保険データの集計、分析支援ツール『IDViewer/IJ』を発表した。また、(株)グローバルコスモスは、保険の解説、販売を行なうWebサイト『保険スクエア Bang!』を29日に開設する。

 7月には一律の自動車保険料率を使用する義務が撤廃され、保険の自由化が進展するなか、市場の大きい自動車保険が注目を集めている。米国の例をみても、保険への他業種からの参入は、情報通信技術を活用して業務の効率化を図ろうという目論見をもって敢行されることが多い

 (株)SASインスティチュート ジャパンと(株)金融エンジニアリング・グループは、損保企業向けに自動車損害保険データの集計および分析を支援するソフトウェア『IDViewer/IJ』を発表、金融エンジニアリング・グループを通じて11月2日に発売する。同ソフトはSASインスティチュート ジャパンのプログラミング言語“SAS言語”を用いて金融エンジニアリング・グループが開発したもので、自動車損害保険のデータを集計、分析し保険料率を算定できるというもの。価格は180万円。



 (株)グローバルコスモスは、保険の解説、販売を行なうWebサイト『保険スクエア Bang!』を29日に開設する。チャート図などを用いた保険の解説が掲載されるほか、保険料の比較も行なえる。また、同サイトから国内2社、外資系4社の損保会社へ同時に資料請求、見積もりの依頼ができる。各社の見積もりは各損保会社よりユーザーに郵便で返送されるが、今後グローバルコスモスが見積もりを受け取り、内容を検討してユーザーに提案する形に発展させる。当初は自動車保険のみだが、年内をめどに傷害保険、生命保険なども販売するという。

 多くの企業が業務の効率化のために、情報通信インフラや業務システムを導入している。これらのシステムを本業で使用するだけでなく、システムを利用した新たな事業を開拓している例もある。現在は情報通信産業からの進出が目立っているが、今後は大手輸送機器製造業などの大手資本が自社の本業用に構築したシステムの新たな利用法として、保険業に本格的に参入してくることが予想され、これからの動きが注目される。

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