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キヤノン、コダック、富士フイルム、松下電器の4社、DPOFの仕様について発表

1998年10月28日 00時00分更新

文● 報道局 小林久

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 キヤノン(株)、米イーストマン・コダック社、富士写真フイルム(株)、松下電器産業(株)の4社は、デジタルカメラで撮影した画像を出力する際の統一フォーマットDPOF(Digital Print Order Format)を26日発表した。

 本日行なわれた記者発表会では、DPOF開発の背景とねらいを松下電器産業(株)AVC社ビデオ事業部商品技術部DM開発グループ主任技師の植松道治氏が、DPOFの技術的概要を富士写真フイルム(株)電子映像事業部開発部の田中宏志氏がそれぞれ解説した。

 植松氏は、「ユーザー層は現在のパソコンユーザー中心の状態から、今後確実に一般ユーザーにまで拡大する」とデジタルカメラ市場が近年急速に拡大していることを指摘。「パソコンを介さずにデジタルカメラの画像を出力する需要が増えるなか、デジタルカメラ上でプリントしたい画像や枚数を簡単に指定できるDPOFはユーザーメリットとなる」と統一フォーマットであるDPOFの利点を強調した。

DPOFについて説明する富士写真フィルム(株)の田中宏志氏
DPOFについて説明する富士写真フィルム(株)の田中宏志氏



 DPOFは、リムーバブルメディア内に記録された画像データを、家庭用プリンターやラボ・プリントで出力するための統一規格。DPOF対応のデジタルカメラは、記憶メディア内に、バージョン情報や機器情報などの“一般情報”、印刷する画像のディレクトリーや枚数などを記述した“プリントジョブ情報”など6種の情報を記述したテキストファイル(DPOFファイル)を作成する。DPOF対応プリンターは、このDPOFファイルをもとに、自動的に出力する画像を必要枚数出力する。ユーザーは、デジタルカメラ上で、出力する写真と枚数、コメントやタイトルといった情報を指定するだけで良く、ファイル名やディレクトリーの指定といった、煩雑な作業なしに好みの写真のプリントを行なうことができる。

 DPOFは標準的な出力形式である“スタンダードプリント”と出力する画像を一覧表示する“インデックスプリント”の2種の出力形式に対応しており、“スタンダードプリント”では、トリミングや回転といった情報の記述が可能。また、日付・コマ番号、コメントといった文字情報の埋め込みは両方の形式でサポートされるが、インデックスプリントでは、各画像につき1つの文字情報しか保持できない。なお、“スタンダードプリント”時の用紙の大きさ、ケラレ(画像データの用紙からはみ出る部分)、白縁などの情報は、DPOFファイル内には記述されず、基本的に出力するプリンターに依存することになる。田中氏によると「プリンターにはさまざまな機種があり個体差も大きいため、“プリンターにまかせる”という1点のみを規定した」という。

 DPOFが対応する画像形式は現在のところExif、JPEG、TIFF、CIF、FlashPixの5種類。また、他のファイル形式のサポートやメーカー固有の機能を追加する場合には、その旨をマニュアルに記載するなど、ユーザーに告知しなければならない。対応する記憶メディアは、PCカード、スマートメディア、コンパクトフラッシュカードなどの半導体メモリーや、FDD、MOといった磁気メディアなど幅広いが、現時点では取り外し可能なものに限られ、IrDAやシリアル接続などには対応していない。

 DPOFの参画企業は現在、(株)ニコン、コニカ(株)、セイコーエプソン(株)など26社。同フォーマットの仕様は、ライセンスさえ結べば、個人・企業を問わず無償で知ることができる。具体的な実用化に関しては、参画企業の自助努力という側面も大きいが、条件さえ整えば、来春をめどにラボ・プリントのサービスの開始を行なうことができ、それに伴った対応製品の出荷も行なわれる見込み。

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