このページの本文へ

日本オラクル、『Oracle Application Server 4.0 Enterprise Edition』などを発表

1998年10月15日 00時00分更新

文● 報道局 小林久

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 日本オラクル(株)は、『Oracle Application Server 4.0 Enterprise Edition』と『Oracle Application Server 4.0』、『Oracle JDeveloper Suite Relese1.1 for Windows NT』を11月30日に発売すると発表した。

 本日行なわれた記者発表会では、冒頭で同社の新宅正明常務取締役が挨拶。同社が、'95年11月の段階でインターネットのテクノロジーがIT環境を変えると発表して以来、同社のアプリケーション事業も堅調な伸びを示していること、今後、Oracle 8、Oracle Application Server(OAS)などの製品を通じ、インターネットを前提としたERPソリューションに注力していくことなどを述べた。同氏はまた、11月に米国で行なわれる“Oracle Open World”までに『Oracle 8i』の全体像が説明できる予定だと述べ、「インターネットにおけるオラクルの取り組みを示していきたい」と意気込みを示した。

日本オラクル(株)の新宅正明常務取締役日本オラクル(株)の新宅正明常務取締役



 今回発表された『Oracle Application Server 4.0』の『同Enterprise Edition』との主な相違点は、分散環境やトランザクション機能、障害回復機能など大規模分散環境で必要となる機能が利用できないこと。『Web Application Server Release3.0』(WAS3.0)からの主な強化点は、パフォーマンスと信頼性、COBOL、PL/SQL、Perl、Cなどの言語で記述された資産の継承、SSL2/3やLDAPなどの採用によるセキュリティー機能の向上などが挙げられる。また、CORBA2.0/IIOP(Common Object Request Broker Architecture/Internet Intra ORB protocol)に対応。オブジェクトカートリッジとして、Javaで書かれたCOLBA IDL(Interface Definition Language)カートリッジをサポートしたほか、CORBA 2.0 ORBを経由して、Java、C、Perl、PL/SQL、Enterprise Java Beansなどのオブジェクトを呼び出すことが可能。

 パフォーマンスに関しては、今回、WAS3.0以来の分散環境下で“マルチスレッドサーバアーキテクチャ”を採用することで、1プロセスで複数ユーザーのアクセスをサポートしている。また、分散されたノードに効率よくリクエストを振り分ける“ダイナミックロードバランス機能”を搭載。従来からのリクエストを順番に割り当てる“ラウンドロビン方式”に加え、新たに、ノードごとに、ある一定の割合で重み付けをする“Weighted Node方式”、メモリ、CPU負荷が各ノードで均等になるようにする“Adaptive方式”などが利用できるようになった。

 また、安定性とセキュリティーに関しては、従来からの、Webアプリケーションとクライアントアプリケーションを切り離し安定性を高める“Process Isolation”に加え、プロセスレベルでの障害回復機能を搭載している。また、セキュリティー面では、LDAPとIIOP/SSLを新たに採用している。

 価格は、分散環境やトランザクション機能など、大規模な分散環境の使用ができない、『Oracle Application Server 4.0』が80万円、『同Enterprise Edition』が250万円。なお、ライセンス形態はともにインストールするコンピューター数で決まり、接続するクライアント数による制限はない。

 一方、同時発売の『Oracle JDeveloper Suite R1.1』は企業システム開発のためのJava開発ツールで、JCOの開発実装環境の提供や『Oracle JDeveloper Suite R1.1』が標準搭載するJavaカートリッジである、JWebカートリッジの開発・実装環境を提供することで、サーバーサイドJavaの開発が可能になったほか、JDBCウィザードによるコードの自動作成機能、PL/SQLをJavaのオブジェクトの中に標準で組み込んだSQLJやコンポーネントの積み重ねだけでデータベースアプリケーションが作成できるJBCLなどを利用した開発が可能。

 『Oracle JDeveloper Suite R1.1』は、『JDeveloper 1.1 for Windows NT』、『Oracle Application Server 4.0 Enterprise Edition for Windows NT』、『Oracl8 Enterprise Edition Release8.0.5』の3つの製品によって構成され、価格は1デベロッパーライセンス当たり、35万円。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン