米コバルト・ネットワークス社は、同社の日本法人として、同社が100パーセント出資するコバルト・ネットワークス(株)を設立すると発表した。社長には、日本ネットスケープ・コミュニケーションズ(株)の設立にも参画し、最後にはストラテジック・パートナー本部長を務めた北島弘氏が就任する。
日本法人コバルト・ネットワークス(株)の社長に就任する北島弘氏 |
当初は北島社長1人でのスタートとなるが、年内には4、5人体制にまで人員を拡張するとしている。Cobaltシリーズの販売はすべて代理店を通じて行なわれ、直接のユーザーサポートも代理店が提供することになるという。
コバルト・ネットワークスは、“Thin Server(シンサーバ)”や“Micro
Server(マイクロサーバ)”などと呼ばれる新しいオールインワンインターネットサーバ『Cobaltシリーズ』で知られるメーカーで、米国で『Cobalt
Cube』を発売して以来、その目を惹くブルーの立方体デザインなどもあって、急速に注目を集めている。
鮮やかなブルーが目を惹く『Cobalt Qube』 |
Cobalt Cubeは、幅184mm×奥行き184mm×高さ197mmの立方体状の筐体に、150MHz駆動のMIPS
R5000系互換プロセッサーを搭載し、OSとして、独自に移植したLinuxがプレインストールされている。ユーザーは、ACアダプターを接続した後、背面のパネルでIPアドレスなどを設定(DHCPでも可能)するだけで、オールインワンのインターネットサーバーを稼働させることができる。日本でも販売されている『Cobalt
Qube 2700WG』(日本版は設定ツールなどが日本語化され、型番は『2700J』)は、16MBまたは32MBのメモリ、2.1GBまたは6.4GBのハードディスクを搭載し、標準で、Webサーバー(Apache、Perl)、SMTPサーバー(sendmail)、POPサーバー(qpopper)、IMAP4サーバー(imap4)、DNS(bind)、NFS、SMBファイル共有(SAMBA)、AppleShare(Netatalk)などのサーバー機能を提供することができる。そして、これらの各種設定は、すべてWebブラウザーから行なえるようになっているのが大きな特徴となっている。
今回の設立記者会見のために来日した同社の社長兼CEO、Stephen
DeWitt(スティーブン・デウィット)氏は、ベースOSにLinuxを採用したことについて「一番の理由は堅牢性と開発の容易さ。オープンソースという点ではFreeBSDなどの選択肢もあったが、私たちが使ってきた経験もあって、最終的にLinuxを選んだ」と語った。またCPUにはMIPS
R5000互換のQuantum Effect Design製RM5230を採用しているが、これについては「まず消費電力を低く抑えるという観点からCPUを選択した。このCPUはパフォーマンスもよく、StrongARMなどに比べてもコストが安く抑えられる」としている。
米コバルトネットワークス社の社長兼CEOのスティーブン・デウィット氏 |
今回の日本法人の設立発表と同時に、新しい製品ラインアップとして、ラックマウント対応のCobaltサーバ『Cobalt
RaQ-J』と、Qubeのハードウェアをベースにしたインターネットキャッシュシステム「CacheQube/CacheRaQ」の2シリーズも発表された。
RaQ-Jは、幅432mm×奥行き318mm×高さ45mmという、19インチラックマウントに40台を収納可能な筐体を採用したオールインワンインターネットサーバーで、Webホスティングなどのサービスを提供するインターネットサービスプロバイダー向けの製品。SNMPに対応するほか、オプションでSSLのサポートも可能となっている。発売は11月で、価格はオープン(おおよそ20万円から30万円前後になる見込み)。
ラックマウント対応のオールインワンサーバ『Cobalt RaQ』 |
CacheQube/CacheRaQは、HTTP、FTP、Gopher、DNSなどのキャッシュを行なうインターネットキャッシュサーバーで、CacheQubeがQubeの、CacheRaQがRaQの筐体をそれぞれ採用している。トラフィックに応じて、手軽に複数台のクラスタ構成にする“InstaCache
Cluster機能”も用意されている。価格はオープンで、日本では第4四半期に提供される予定。