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オリンパス、紙に音声を記録できる“ScanTalk”システムを発売

1998年10月01日 00時00分更新

文● 報道局 中山実

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 オリンパス光学工業(株)は9月30日、音声を独自技術でコード化したスキャンコードを印刷することで、紙に音声を記録できる“ScanTalk(スキャントーク)”システムのプリンターとリーダーを10月31日に発売すると発表した。『スキャントークラベルプリンタLP100』と『スキャントークリーダーR200』で、音声をLP100でコード(スキャンコード)化して紙に印刷し、その上をR200でなぞれば音が再生される。また、スキャンコードが印刷された絵本や写真集が(株)小学館などから発売される。

写真の下のバーコードのようなものがスキャンコード 写真の下のバーコードのようなものがスキャンコード


 印刷したスキャンコードの幅は約8.4mm、長さは録音時間により変わり、100mmで約8秒の音声を記録できる。約2.1×約2.1mmの大きさのブロックの集合で形成され、1つのブロックの中に約1000個のドットがある。CCDを内蔵したリーダーでこのドットを読み取り、音声に変換する。

スキャンコードの拡大写真。約2.1×約2.1mmのブロックが、縦に4つ並んでいる
スキャンコードの拡大写真。約2.1×約2.1mmのブロックが、縦に4つ並んでいる


 同社では、パソコン上でWAVファイルをスキャンコードに変換し、それを画像イメージとしてプリンターで印刷できるようにするソフトウェアも開発中だが、発売時期などは未定。

『スキャントークリーダーR200』



 『スキャントークリーダーR200』は、スキャンコード専用のリーダーで、『スキャントークラベルプリンタLP100』で印刷したコードだけでなく、絵本や写真集などの出版物に印刷してあるコードを読み込んで音声を再生できる。なお、音声を聞くには、付属のイヤホンかアンプに繋がったスピーカーが必要。

 コードの初めから終わりまでをリーダーのメモリーに読み込んでから再生を行なうため、読み込む方向は右からでも左からでも構わない。一度読み込んだコードは何度も再生できる。

 スキャンコードには、通常音質モードと高音質モードとがあり、音声再生帯域は通常音質モードで100Hz~3.8kHz、高音質モードで200Hz~7.6kHzとなっている。また、低圧縮と高圧縮の2つの圧縮率があり、R200では最大64秒の音声が再生可能。モードや圧縮率は、自動的に認識される。1秒間に最大150mmのコードが読み取り可能。

 単3乾電池2本で動作し、電池寿命はアルカリ電池使用時で約5時間。サイズは幅175×高さ28×奥行き24mm。重さは96g(電池含む)。10月31日発売で、価格は1万4000円。

『スキャントークラベルプリンタLP100』



 スキャンコードが印刷できる『スキャントークラベルプリンタLP100』は、最大16秒の音声が印刷可能。専用ラベルカートリッジを使って、ラベルに印刷するので、写真やはがきなどに貼ることができる。印刷したラベルは、1000回以上の読み取りに耐えられるという。内蔵マイクのほかに外部マイクも利用可能。印刷できるスキャンコードは、通常モードの低圧縮のみ。印刷方式は熱転写方式。『スキャントークラベルカートリッジCT100』(1500円)は1回10秒間の録音で約40回印刷できる。

 サイズは、幅167×奥行き217×高さ50mm。重さは900g(カートリッジは含まず)。『スキャントークリーダーR200』と同じく10月31日発売で、価格は5万3000円。なお、『スキャントークラベルプリンタLP100』と『スキャントークリーダーR200』のセット製品を6万3000円で販売する。

スキャンコンテンツ

 スキャントークを利用したコンテンツとして、出版物や展示物などがある。(株)小学館の『ドラえもんのどうぶつずかん』(11月1日発売、1980円)や(株)ソフトガレージの『ウルトラマン』(11月1日発売、1600円)などの絵本では、キャラクターの音声を聞くことができる。また(株)美術出版社の自然を題材にした写真集『Tiger Odyssey』では、動物の鳴き声などを聞くことができる。また、10月3日~12月13日の日程で東京現代美術館にて開催される“マンガの時代”展でもスキャントークが体験できる。

 オリンパスの常務取締役の米窪健氏は、「紙が新たな形、喜びをを提供できる」と語り、印刷インフラを活用して、紙のマルチメディア化を図っていく考えを示した。『スキャントークラベルプリンタLP100』と『スキャントークリーダーR200』は、電気店や書店での販売のほか、通信販売も行なう。

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