このページの本文へ

アダプテックジャパンと日本クアンタム、Utra2ストレージセミナーを東京、大阪で開催

1998年09月01日 00時00分更新

文● 報道局 原武士

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 アダプテックジャパン(株)と日本クアンタムペリフェラルズ(株)は、システムインテグレーター、企業ユーザー、デジタルコンテンツクリエイターを対象とした『Ultra2ストレージセミナー』を26日に大阪で、28日に東京で開催した。

セミナーは3部構成だった。ハイエンドユーザーをターゲットとするだけに内容を理解するには専門知識を必要とした。以下に要約を示す。

秒速40MBを実現するUltra2ストレージ

日本クアンタムペリフェラルズ(株)プロダクトマーケティングマネージャー 吉岡雄氏 日本クアンタムペリフェラルズ(株)プロダクトマーケティングマネージャー 吉岡雄氏



 以下はクアンタムの吉岡氏の講演概要である。

 SCSIは“Small Computer System Interface”の略である。小型コンピュータシステムで使用される補助記憶装置用のデータ転送方式として1986年に確立された。

 コンピューター技術の発展とともに、使用されるデータサイズは巨大化し、ハードディスクもより速く、より大きな容量を持つものが求められるようになってきた。特にサーバーなどの業務用として使用されるマシンについては、それらに加え、安定性、信頼性、省電力性が重視されている傾向にある。

 この調査結果を確認したクアンタムでは、PCサーバー、ワークステーションでの使用に対応する、Ultra2と呼ばれる転送速度(秒速40MBまたは80MB)を備える機器を開発し発売した。『Viking II 4.5S』(容量4550MB)、『VikingII 9.1S』(容量9100MB)と、エンタープライズサーバー、ストレージサブシステムでの使用に対応する『ATLUSIII 9.1s』(容量9100MB)、『ATLUSIII 18.2s』(容量18200MB)である。

UltraとUltra2との混在でも力を発揮する『Host Adapter』

アダプテックジャパン(株)マーケティングプログラムマネージャー 白石善彦氏 アダプテックジャパン(株)マーケティングプログラムマネージャー 白石善彦氏



 以下はアダプテックの白石氏の講演概要である。

 現在のPC市場について調べてみると、キーコンセプトがいくつか有るのが分かる。“低価格化競争”、“マルチプロセスの必要性”、“インターネットサーバーなどサーバー時代の到来”、“マルチユーザーによる作業の分散化”、“マイクロプロセッサーの高速化”などを挙げることができる。

 特にインターネットなどの、ネットワーク関係の市場の大きさは目を離せない。ユーザーの必要とする情報も、テキストからグラフィック、そしてビデオオンデマンドなどの動画へと移り変わってきた。その結果、データファイルサイズの肥大化、クラスタリングの必要性、データベースサーバーの需要といった、データ中心のシステムが発達している。

 データを管理するサーバーについて、PCサーバーとUNIXサーバーの国内市場動向を調べると、UNIXサーバーは‘95年から現在に至るまで、ほとんど横並びで成長していない。これに対して、WindowsNTを使用したPCサーバーはここ3年で3倍以上の伸びを示している。また、これに伴い、PCワークステーション市場の増大も著しく、同じく3年ほどで年間約41パーセントもの伸びを示している。

 今後はWindows95のようなマルチタスク(複数の処理を同時に実行することができる)のOSよりも、WindowsNTのようなマルチスレッド(複数の操作を同時に行なうことができ、かつ適切な時間配分で行なうことができる)のOSに移行していくだろう。そうなると、複数のサーバーでひとつのハードディスクを管理したり、逆に、複数のハードディスクをサーバーが管理したりするようになると考えられる。

 ハードディスクの分野では、このような需要に応えられるような、高速データ転送を可能とするSCSI-3規格ができあがった。しかし、従来のFast/Ultraと言ったSCSIデバイスとUltra2対応のSCSIデバイスを混在接続して使用すると、その中で最も古いデバイスの転送速度でしかデータ転送できない。せっかくの高速と言うメリットがなくなってしまう。

 そこで、アダプテックでは、そういった古い規格と新しい規格の混在する環境でも、それぞれの規格を持つデバイスのパフォーマンスを負荷なく利用できるマルチモードトランシーバーチップ(AIC-3860)を開発した。アダプテックではこれを使用しUltra2の性能を最大限に生かせるSCSI-3ホストアダプタを制作した。

Macintoshに対するアダプテックのUltra2製品

アダプテックジャパン(株)マーケティングプログラムマネージャー 節川茂久氏 アダプテックジャパン(株)マーケティングプログラムマネージャー 節川茂久氏



 以下はアダプテックの節川氏の講演概要である。

 MacintoshはグラフィックスやDTPといったハイエンドアプリケーションを使用するユーザーに強く支持されている。しかし、内蔵されているSCSIは一部の機種を除いて、いまだにSCSI-1規格で動作しており、大容量のデータにアクセスする度に、長い時間待たされてしまうのが常だった。

 そこで、アダプテックではMacintoshで使用できるUltra2 SCSIに対応したPCI SCSIアクセラレーターボードを発売した。このボードはマルチモードトランシーバーチップAIC-3860を搭載しており、ひとつのバスの上でUltra2 SCSI機器とUltra2以外のSCSI機器を同時にサポートしている。さらに、Flush ROMを搭載しており、今後のハード自体のアップデートにも柔軟に対応できるようになっている。

 セミナーの参加者は100名弱だった。誰もみな真剣に聞いており、セミナー終了後の質疑応答も専門的なものが多かった。SCSIの系統の技術進歩に対する関心の高さがうかがえた。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン