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『iMac』ついに販売開始!「パソコンってこんなハズじゃなかった、という方にiMacを」(原田永幸社長)

1998年08月31日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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 8月29日(土)午後3時、アップルコンピュータ(株)がコンシューマーマーケットへの復帰を宣言する『iMac』の販売がついに開始された。当日は、午後2時よりラフォーレミュージアム六本木を会場に、デベロッパ各社およびマスコミ関係者を集め、カウントダウンイベントが開催された。
 マックユーザーとしても知られる司会進行役のTBSアナウンサー、鈴木順氏が、同社代表取締役社長の原田永幸氏を紹介すると、さわやかなブルー系のトレーナーというカジュアルないでたちで原田氏が登壇した。ステージには、ボンダイブルーとアイスホワイトが美しいiMacが配されいる。原田氏は開口一番「今日は、iMacがもたらす新しいパラダイムのスタートです」と語った。

アップルコンピュータ社長の原田永幸氏。「iMacは新しいパラダイムの象徴」と強調した。
アップルコンピュータ社長の原田永幸氏。「iMacは新しいパラダイムの象徴」と強調した。



 原田氏は、これからのアップルのチャレンジについて、“製品戦略”“インフラ”“投資”の三つに分けて説明した。特にインフラについてはすでに一つのモデルがスタートしているとし、iMacを送り出す体制を上げた。「シンガポールにおいて100%の製造体制にあり、毎日、3シフトを組み、24時間の製造体制でフル稼働しています。工場から日本へ空輸され、倉庫を経由せずに販売店に直送する体制をとっています」と説明した。

 さらにこれらの成長戦略に向けてのビジネスパートナーとして、島村楽器(株)の島村元紹社長、全国に展開するT-ZONEを経営する(株)亜土電子工業の金山和男社長が登壇し、それぞれiMacへの期待を述べた。

島村楽器(株)の島村元紹社長。楽器店でのパソコン販売など誰が予測しただろうか?
島村楽器(株)の島村元紹社長。楽器店でのパソコン販売など誰が予測しただろうか?



(株)亜土電子工業の金山和男社長。同社のショップチェーン、T-ZONEはiMacデモ展示販売店の中でも重要な位置を占める
(株)亜土電子工業の金山和男社長。同社のショップチェーン、T-ZONEはiMacデモ展示販売店の中でも重要な位置を占める



 引き続き、マイクロソフト(株)の古川享会長が登場し、『Microsoft Office 98 Macintosh Edition』を紹介。古川氏はマイクロソフトとアップルは一緒に仕事してきたビジネスパートナーであると強調した。スピーチの後には、シャツを脱ぎ捨て、Mac OSとOfficeをあしらったTシャツを見せるパフォーマンスで会場を沸かせた。

マイクロソフトの古川亨会長。古川氏らしいトークとパフォーマンスで会場を沸かせ、MacのシーンにもMicrosoftは欠かせないことを印象付けた。マイクロソフトの古川亨会長。古川氏らしいトークとパフォーマンスで会場を沸かせ、MacのシーンにもMicrosoftは欠かせないことを印象付けた。



 続いて登壇した(株)ジャストシステムの浮川和宣社長はジャスト製品のiMac対応をコミットし、iMacへの期待を込めて「寄り親しみやすいソフトを創り続けたい」と語った。さらに古川氏のパフォーマンスを受け「(体は)お見せできないが、体も会社もスリムになりつつ、筋力はつけていきます」と語った。

(株)ジャストシステムの浮川和宣社長。浮川氏から直接の発表はなかったが、Macintosh版のATOK12も開発中とのことだ。
(株)ジャストシステムの浮川和宣社長。浮川氏から直接の発表はなかったが、Macintosh版のATOK12も開発中とのことだ。



 再び登壇した原田氏は、今後の事業計画の三つの柱を紹介した。まず、“プロフェッショナルコアマーケットの拡大”として、グラフィック、印刷、出版、ビデオ、医療といった創造系の業務の拡大を上げた。
 さらに“新たなコンシューマーマーケットの創出”として、iMacの特徴を説明した。「Speed=マッハのように離陸する、スピード」「Style=近未来のビジョンが見える、フォルム」「Simpicity=優しいからかなう、イマジネーション」とiMacのコンセプトを披露、そのデザインテイストを“フューチャーノスタルジー”と紹介した。また、よく言われている“スケルトン”については、そうではなく“トランスルーセント”と呼んでいただきたいと語った。三つ目の柱としては、“グローバルスタンダードインフラの構築”を上げた。
 原田氏は「パソコン買ったけれど、パソコンってこんなハズじゃなかった、という方にもっともっとiMacをお伝えしていきたい。また、パソコンに無縁の方にも、新しい市場を創っていく姿勢でiMacをお届けしていきます」と語った。

Say Hello to iMac!カウントダウンとともにiMacがついに発売開始された
Say Hello to iMac!カウントダウンとともにiMacがついに発売開始された



 この後は、TBSアナウンサーの秋沢淳子さんの司会で、札幌、東京、大阪、福岡を結んだ同時中継を行ない、販売開始直前の各地から、遠方からのユーザーや朝早くからの行列組みの声を紹介した。4ヵ所を結んで、発売開始のカウントダウンが行なわれ、会場の興奮は最高潮となった。
 発売開始直後には、早速iMacを購入したユーザーの声が各会場からリポートされた。大阪・日本橋では、朝早くから並んだ親子が紹介され、リポーターの「iMacはどこに“飾る”のか」という質問に会場が大ウケ、原田氏が「飾るだけじゃなく、使ってください」と声をかける一幕もあった。


モバイルに強いというTBSの秋沢淳子アナが会場に華を添えた。弊社刊の「We Love TBS!! 女子アナウンサーのすべて見せます」(http://www2.tbs.co.jp/who/welove.html)にも登場している。

 最後に原田氏は、アップルの今後の取り組みとして、グローバルスタンダードの確立をさらに強調。その価格設定には成長戦略が含まれているとした。
 「アップルは、個人のコミットメント、イノベーションを最大限に評価する企業
文化を持っています。その企業理念と情熱の結集がiMacなのです。iMacは、いままでのMacintosh以上に素晴らしい製品です。今後もユーザーの視点に立ち、ユーザーの期待を超える商品、ビジネスを提供していくことがもっとも大事だと考えています」とユーザーの視点に立ち続ける決意見せた。
 さらに「新しいコンピューターとのライフスタイルを実現したい、そのリーダーシップをアップルが取っていきたい。そこに情熱を捧げていきたい。それが“Think Different”です。ぜひ、今後の新しいアップルのさらなるチャレンジにぜひご期待ください」と結んだ。

 アップル、そしてiMacが、日本のコンピューターシーンに、ひいては日本経済や生活にどのような影響をもたらすか、興味深く見守っていきたい。

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