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ソニー、仮想3D空間構築、運営ソフト『Community Place』用、オーサリングツールなどを発売

1998年08月27日 00時00分更新

文● 報道局 植草健次郎

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 ソニー(株)は、VRMLオーサリングツール『Community Place Conductor Ver.2.0』(Community Place Conductor)と、3Dの共有空間に動きを与えるためのサーバーソフトウェア『Community Place Bureau Application Object Server Ver.1.0』(AO Server)を発売する。いずれも同社が'96年より販売しているインターネット上にVRMLを使った仮想空間を構築するシステム『Community Place』向けのツール。

 『Community Place』は、インターネット上に複数のユーザーが共有できる3Dの仮想空間を構築、運営するためのソフト。ソニー自身が開発した。サーバーとして機能する『Community Place Bureau』と、ユーザーが仮想の共有空間にアクセスするための『Community Place Browser』から構成される。今回発売されるのは、3Dの共有空間の構築を強化するためのツール。

 Community Place Conductorは、VRML97対応のオーサリングソフトである。3Dの仮想の共有空間上で動く人間や動物、“アバター”などをデザインするためのツール。アバターとは、ユーザーがユーザーの化身として仮想空間内で動かす像である。各種のVRMLスクリプトのテンプレートが用意されており、制作時間を短縮できる。

 AO Serverでは、3Dの仮想の共有空間を構築する『Community Place Bureau』によって築いた世界に、時間の概念を持たせることができる。VRMLとJavaによるプログラミングなどにより、季節の変化や、定期的なイベントなどを設定できる。サービスを中断することなくイベントが起こせる。同時に設定できるイベントなどの数は、AO Serverのライセンスにより異なる。25、50、100、300、500の5種のライセンスが用意されている。

 ソニーでは、同社のプロバイダーサービス、So-net上で、Community Placeを用いたサービス、『PAW(Personal Agent World)』を5月より提供している。『PAW』には現在約1万5000人の会員がおり、このうち約1割が48時間以内に再度アクセスを行なっているという。AO Serverの技術の検証などの目的で開始した実験サービスのため、9月末で終了する予定だったが、10月以降もサービスを継続する。

 Community Placeのシステムを実際に使用した事例として、長期入院する子供などを対象とした(株)メディアフュージョンの『バーチャルキッズパーク』(http://www.mediafusion.co.jp/v_kids/index.html)や、ジーアールホームネット(株)の運営する『ヴィラぷらら』がある。これは、プロバイダーサービス『ぷらら』(http://www.plala.or.jp/plala/mainmenu.htm)上で運営され、ショッピングなどが可能なサイトがある。

 ソニー社は「Community Placeは、ネットワークインフラが整備された時代ならではのサービス。ネットワーク上の仮想的な世界の中で楽しいことを提案できないか、という発想から始まった。現在、インターネットは単なるツールから、生活に潤いを与え、楽しみを供給するものに変化しようとしている。Community Placeの提供する機能は、その変化に対しての一つの答えと考えている」とコメントしている。

 価格はCommunity Place Conductorが9万6000円、AO Serverが、25オブジェクトライセンスで80万円から。発売は両ソフトとも9月1日。Community Place Conductorが9月21日から、AO Serverは9月1日から出荷開始の予定。

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