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【INTERVIEW】日本のベンチャーキャピタルからは次代への教訓が得られない-アッシュインターナショナル建入ひとみ氏

1998年08月14日 00時00分更新

文● 報道局 清水久美子

 (有)アッシュインターナショナルは、ベンチャー企業の融資相談や事業内容のコンサルティング業を行なう会社だ。率いる建入ひとみ代表取締役自らもベンチャーという立場。「ベンチャー企業が貸し手の説得に失敗して道なかばで倒れることがあっても、その失敗が次のステップにつなげられない」と語る。建入氏に、日本のベンチャーキャピタルの姿勢について伺った。

----建入さんがベンチャー関連の業務に足を踏み入れたきっかけは。

「13年間、アナウンサーやキャスターを経験した後、もっと世界を見たいという思いから、2年間フランスへ留学しました。帰国後、ベンチャー企業と大学との間で技術移転のコンサルティングを行なう会社を設立。でも、ベンチャーも大学もお金がないのでなかなか商売になりませんでした。それで'96年10月に現在のアッシュインターナショナルを設立したんです。ベンチャー企業の各種サポートをしようと思ったのがきっかけです」



----どんな仕事をされているのですか。

「事業修正をはかる企業のカウンセリングや、ベンチャー企業のプロデュースが主な業務内容です。現在の会社を設立して最初の仕事は、圧縮技術で話題になっていた(株)ドームというベンチャー企業のサポートでした。私はドームに相応しい人材をヘッドハンティングする仕事に携わっていたんです」

「当時のドームは、大変成長が期待されている会社でした。'97年の3月にはベンチャーキャピタルの10社から2億円ずつ、計20億円の融資を受ける予定だったのです」

「ところが、その10社のうちの一つ、有名なベンチャーキャピタルA社が、10社の協調融資の判を押さないと急に言い出したのです。A社の腰が引けたため、先に判を押していた数社が右に習えをして撤退。ドームは倒産に追い込まれました」

----A社はなぜ融資を取りやめたのでしょうか。

「それが、誰に何回聞いても教えてくれないのです。それで“ベンチャーキャピタルって何だろう”という根本的な問題に立ち返ってしまったのです。今後ベンチャー企業のコンサルティングに関わっていく上で、これでは何の教訓にもならない」

「A社が融資の件を断わってきた理由が明確にならないと、次のプロジェクトでそれを避けるためのアドバイスができないのです。どこがどのように悪かったのか、融資する・しないをどういった要素で決めたのか、誰の責任でどういう手順を踏んでいるのか、といった理由を教えてもらえない」

「A社以外の9社は、“理由はよく知らないが、大手のA社がやめたからには相応の理由があるのだろうと判断して手を引いた”とくり返すだけです。これでは、今後ベンチャー企業への融資の話を進める際、また同じ失敗をしてしまう可能性があるんです」

----米国では事情が異なりますね。

「米国でベンチャーへの投資の中心となっているのは、“エンジェル”と呼ばれる個人投資家です。“エンジェル”には自分で一旗揚げてお金を稼いだ人たちが多いのです。ですから、自分個人の責任においてベンチャー企業に投資をするという土台ができあがっている。自分が会って惚れ込んだ人物、自分の手で確かめた技術、自分の肌で感じた社風を信じ、それに賭けます」

「日本のサラリーマンキャピタリストのように、マスコミで話題になっているから、よく名前を耳にするから、といった理由で投資する人たちはほとんどいません。でも、だからこそ私はこの日本人の幼稚さを逆手にとって“マスコミをうまく使って”というアドバイスをベンチャー企業にするんです」

「でも、こんな方法ではなく、あくまでもその企業の技術を評価してキャピタリストが投資していくような、そんな風土が日本にも早く広まって欲しいと思います」

    (有)アッシュインターナショナル:TEL.03-5701-8170

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