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【INTERVIEW】第3回国際女性ビジネス会議開催も間近、ユニカルインターナショナル佐々木かをり氏に伺う

1998年08月13日 00時00分更新

文● 報道局 篠田友美

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 15日10時からホテル日航東京で、第3回国際女性ビジネス会議が開催される。同会議は“企業で活躍する女性、起業を目指す女性、フリーランスで仕事をする女性が国際的に交流し合い、互いに刺激を与え合おう”という目的で'95年に発足した。今回はその3回目。会議の発起人でもあり、企画、運営を行なう(株)ユニカルインターナショナルの代表取締役社長を務める佐々木かをり氏にお話を伺った。

ユニカルインターナショナルの代表取締役社佐々木かをり氏
ユニカルインターナショナルの代表取締役社佐々木かをり氏



----15日の国際女性ビジネス会議も目前に迫ってきましたね。

「今回で3回目の会議を迎えることになりました。最近働く女性は確実に増えてきています。しかし本当に前向きに、長期的な視野を持ってプロとして仕事していこうという女性はどれだけいるのでしょうか。まだまだわずかであるというのが私の感想です」

「'89年7月にプロ意識のある女性が情報交換するネットワーク、NAPW(Network for Aspiring Professional Women)を設立し、情報交換したり、ビジネススキルを磨いたりなどの活動を始めました。NAPWでは、年に1回“アニュアルコンベンション”を開催し、講演会を開いたり互いに勉強する会員の集いを行なったりしてきました」

----日本での開催を決意されたきっかけがあるのですか。

「仕事柄、米国の女性起業家との付き合いがあったので、米国で2000人から5000人の起業家女性が集まるセミナーに参加しました。その時、同じ方向を向いた女性達の力がひとつになるのを感じました。そのパワーの大きさに本当に驚き、感動しました。こういった会議をぜひ日本でも開催できないものだろうかと思い、アニュアルコンベンションを発展させてビジネス会議を始めました」

「同じ志を持った女性達が集まって、ワークショップに参加したり、講演を聴いたりして勉強する。それだけでなく同じ方向を向いた女性達が出会い、共感し、ネットワークを築いていければ、それは素晴らしいことになると考えました。さらに全国、全世界から参加者を募れれば、もっと大きな会議ができると考えたわけです」

「参加者は決して女性だけと限定しているわけではありません。男性も参加可能です。20代前半から60代、70代と幅広い世代の女性が500人くらい参加します。大学生、夫婦、母娘、父娘、友人同士など、組み合わせはさまざまです」

----どんなテーマについて話し合うのでしょうか。

「第1回目のテーマは“女性の働き方”について。ゲストを招いて、スピーチを行なってもらいました。第2回目を開催した'97年は、“インターネット”が世間を賑わしていたという経緯もあり、“SOHO時代の生き方/働き方”をテーマに取り上げました」

「インテル社の西岡会長と私がインターネットを使ったリアルプレゼンテーションを行なったり、インターネットを用いた素晴らしい学校教育を行なっているシンガポールの教育者に講演して頂いたり。SOHO時代のワークスタイルと家庭のあり方、子供とコンピューター、インターネットで夢を実現するなどのテーマを取り上げ、起業やメディアリテラシーについて皆で議論しました」

「今回のテーマは“Being Independent~グローバル社会での私の自立~”です。米Women Incorporated副代表のMarsha L.Firestone,Ph.D(マーシャ・ファイアストーン博士)を招いて、女性が企業の中で自立すること、独立することなどをテーマに、基調講演をしてもらいます。また特別講演として、(株)TBSブリタニカ『ニューズウィーク 日本版』の編集長藤田正美氏の特別講演も予定しています」

「恒例の分科会では、“活躍中の女性達の素顔”“国際ビジネスの企業倫理”“顧客の心をとらえるマーケティング”“国際ニュースを仕事や生活に活かす”などビジネススキルを向上させるものから“子供とワーキングマザーのいい関係”“ホームページを作ろう”など働く女性の家庭生活を応援するものなどの内容を盛り込んでいます」

----佐々木さんはフリーランスの通訳から28才の若さで起業されたわけですが、どんなことがきっかけになったのですか。

「大学在学中から通訳として働いていたのですが、そのころからフリーランスの仕事や社会そのものに、いろいろな疑問を感じていました。本当にプロフェッショナルとして仕事をしていこうという意気込みを持つ女性はあまりにも少ないのではないでしょうか。そこで自ら起業し、働く女性を支援するような仕事ができれば、と思い立ちユニカルインターナショナルを設立しました」

----ユニカルインターナショナルでは、どのような仕事をなさっているのですか。

「基本的には、国際コミュニケーションのコンサルティング会社です。例えば外国から日本、外国語から日本語、男性から女性、東京から地方というように違うターゲットの人たちにメッセージを送るとき、どのような伝達手段が最も効果的か、メッセージをマネジメントする仕事です。その代表としてニュース、翻訳、編集やホームページの制作などを行なっています」

「ユニカルには1600人以上のバイリンガルスタッフが登録しているため、70言語に対応することが可能です。通訳翻訳サービスから、消費者意識調査、ターゲットマーケティングなども業務内です。“国際”“女性”“子供”などのキーワードを得意とする点がユニカルの特徴です」

「ユニカルでは“オンライン”業務に非常に注目しています。出産、育児など時間的なハンディーを抱える女性にとっては、インターネットは、大きな武器となるでしょう。最近“ウィメンズ・ゲートウェイ”という女性のためのホームページ(http://www.women.co.jp/)のおしゃべりページを更新しました。2年間で1000ページという膨大な量の、熱いメッセージが行き交いました。ここでは、世界中から集められた女性のための最新情報や世界で活躍する女性経営者の一覧なども紹介しています」

----佐々木さんから、ASCII24読者に何かメッセージはありますか。

「ユニカルのユニークな点は、12人という小所帯に1600人のスタッフを抱えるネットワーキング企業であることです。決してバイリンガルでなくても日本語の能力に優れていたり、ホームページ作成やデザインなどプロとして特化した能力を持つ人、また現在インターネットを利用していなくても、何かの勉強をし続けてきた人、コミットメントのある人、など本気でやる気のある人であれば、男性でも女性でも高齢者でも“性”や“年齢”に制限はありません。ぜひコンタクトを取って下さい。そういう方たちにとっては、きっとユニカルは非常にユニークで魅力ある会社であると思います」

 1児の母でもあり、経営者でもあり、キャスターもこなす佐々木さんから目が離せない。ascii24では、国際女性ビジネス会議当日の模様もレポートする予定。

  • ユニカルインターナショナル
  • /佐々木かをり氏プロフィール1983年上智大学外国語学部卒業。米国エルマイラ大学に留学。大学在学中に通訳として活躍。87年に(株)ユニカルインターナショナルを設立。88年ニュービジネス協議会のアントレプレナー特別賞を受賞。89年プロ意識のある女性のネットワークNAPS(Network for Aspiring Professional Women)設立。96年より“国際女性ビジネス会議開催”。インターネット上で世界の女性情報の公開したり交流するサイト“ウィメンズゲートウェイ”も開設している。87年よりテレビ朝日“ニュースステーション”などでニュースレポーターとして活躍。現在TBSテレビ“CBSドキュメント”でキャスターも務めている。

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