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コンパック、『コンパック指紋認証システム』を発売

1998年07月21日 00時00分更新

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 コンパックコンピュータ(株)は、バイオメトリックス技術を用いた、指紋による個人認証装置『コンパック指紋認証システム』を、17日発表した。バイオメトリックスとは指紋や顔などの、生体反応や特徴を利用した認証技術。同システムは、PCを利用してネットワークにログインする際に、キーボードを使ってパスワードを入力するかわりに、指紋を利用することで認証を行なうシステム。

中央が『コンパック指紋認証システム』
中央が『コンパック指紋認証システム』


 同システムは、小型の指紋読取装置と、指紋の登録・照合を行なうアプリケーションで構成される。読み取った指紋の起点や交差している点を測定し特徴のみを抽出、“テンプレート”と呼ばれるデータに変換しサーバーに格納する。

 プライバシー保護のため指紋画像データを直接保存しない形式にし、テンプレートから指紋を再構成することは不可能だという。指紋データをテンプレートに変換するアルゴリズムと、読取装置『DFR-200』には米Identicator Technology社のものを使用し、Windows NTで利用するためのネットワーク技術をコンパックが提供している。

 読みとった指紋をテンプレートデータに変換し、サーバーに登録されたテンプレートと比較、正しければパスワードをPCに返す仕組みとなっている。サーバーにログインする場合は、返されたパスワードをユーザー名とともにサーバーに送り、ログインの処理が行なわれる。記者発表の会場で実際に行なわれたデモでは、認証にかかる時間は1秒程度だった。

 実際の操作では、ログインIDをキーボードから入力した後、パスワードを入力するかわりに読取装置に指を置くことになる。指紋を利用することによって、パスワード管理の手間を低減できるため、セキュリティ管理にかかるコストを下げることができる。

 米コンパックコンピュータは4月にIdenticator Technology、IBM、マイクロソフト、ノベル、Mirosと共同で、バイオメトリックスに関する標準APIを規定、統合することを目的として“BioAPIコンソーシアム”を設立している。同社では同システムをその初めての成果としている。

 市場に製品を投入した理由として平松進也PCエンハンスメント&モニタ製品マネージャーは、「ネットワーク利用の急激な伸びによりセキュリティーの必要性が高まっている。加えて読取装置が低価格で供給できるようになったため」としている。



 ターゲットとして、企業の人事・財務・法務部門、金融機関、医療機関などを想定しており、すでに金融機関や個人情報を扱う企業から引き合いがあるという。

 対応OSは、サーバー側がWindows NT Server 4.0(Service Pack3以降)で、クライアント側がWindows NT Workstation 4.0/Windows 95(OSR2以降、もしくはInternet Exploler3.02以降をインストール)。Windows 95、NTともメモリー32MB以上を推奨。PC本体との接続はパラレルポートで行なう。読取装置とソフトウェアのセットで価格は1万9000円。英語版は8月下旬、日本語版は11月下旬に出荷を開始する。同社では10月以降にUSB対応の指紋認証装置の発売を予定している。(報道局 植草健次郎)

http://www.compaq.co.jp/info/press165.html

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http://www.ascii.co.jp/ascii24/issue/980717/topic14.html

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