(株)日本経済新聞社主催による、日本最大規模のJava&エンタープライズ・コンピューティング・イベント“JAVA
COMPUTING EXPO '98 for ENTERPRISE”が、東京ビッグサイトで本日開催された。初日の今日は、5つのセッションのほか、Java関連技術の展示会などがとり行なわれた。
講演後の記者会見で、『JINI』について語るJohn Gage氏 |
オープニングセッションでは、米サン・マイクロシステムズ社サイエンスオフィスディレクターのJohn
Gage(ジョン・ゲイジ)氏が“Java Computing Opens Opportunity -- Javaが切り開く未来”というテーマで講演を行なった。同氏は、シンプルで安全にデバイスをコントロールできるソフトウェア『JINI』(ジーニ)を紹介。ソフトウェアのローディング作業や複雑なキー操作なしにハンドヘルドコンピューターや携帯電話などの、デバイスの接続を可能にするものだと述べた。
『JINI』の発音は、ディズニーの映画“アラジン”に登場する魔法使いと同音。同氏は『JINI』の機能を魔法になぞらえた。『JINI』は、OSの上で動作するJava
Virtual Machineの上に積み重なったコンポーネントで、それぞれのデバイスが、ネットワークに簡単に接続することを可能とするもの。各デバイスは、『JINI』内部の“Java
Space”で、自らの情報をアナウンスする。ネットワーク内のコンピューターやプロセッサーは必要なデバイスを“Java
Space”から見つけ出し、処理を行なうという。
同氏は、『JINI』使用の例として、指輪型のデバイス『Java Ring』を紹介。『Java
Ring』は、32KBのRAMと128KBのROMを内蔵するほか、1024bitの暗号技術に対応し、シリアルポートに差し込む形でネットワークに接続可能。『JINI』を介して、認証情報やユーザー情報を記憶させることができるという。同氏は『Java
Ring』を、「自宅や車のキーのほか、クレジットカードとしても使用可能だ」と述べた。
『Java Ring』。展示会場の抽選会で手に入れることもできる。 |
サン・マイクロシステムズでは、『JIDI』の仕様やソースコードを公開する方針をとっており、ホームページ上(http://www.java.sun.com/)で7月20日より、すべての情報にアクセスできるようになるという。
また、別会場の展示会では、(株)アプリックスの組み込み用リアルタイムJavaOS『JBlend』を用いた機器などが展示されていた。
PFU社のPDA『BOSSANOVA』。OSには、アプリックス社のリアルタイムJavaOS『JBlend』を採用している。 |
同じく『JBlend』を採用したエプソンのネットワークテレビ。 |
“JAVA COMPUTING EXPO '98 for ENTERPRISE”の会期は17日まで。入場料は無料。(報道局 小林久)
http://www.nikkei.co.jp/events/jce/