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松下とマイクロソフト、デジタルAV技術とパソコン技術の融合で提携

1998年07月09日 00時00分更新

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ニュースリリースとともに配布された写真。松下電器の森下洋一代表取締役社長(左)とマイクロソフトのビル・ゲイツ会長(右)
ニュースリリースとともに配布された写真。松下電器の森下洋一代表取締役社長(左)とマイクロソフトのビル・ゲイツ会長(右)



 松下電器産業(株)と米マイクロソフト社は、デジタルAV技術とパソコン技術の融合に向けて、長期にわたって協力することで合意したと発表した。本日、午後4時より大阪西天満にある電子会館で行なわれた記者発表には、松下側から、脇野征一取締役と三木弼一取締役が、また、マイクロソフト側からは大浦博久常務取締役が出席した。

 

 

左から脇野征一氏、三木弼一氏(以上、松下電器)、大浦博久氏(マイクロソフト) 左から脇野征一氏、三木弼一氏(以上、松下電器)、大浦博久氏(マイクロソフト)


 今回の合意は、米国のシアトルで7月7日の午前10時、日本時間の8日の午前2時になされたもの。基本合意した内容は、以下の4点。

1.デジタルテレビ放送の受信、デコード、処理、表示、各種サービスに対応できる次世代AVパソコン用技術の共同開発。

2.本年冬期を目指したWebTV端末の国内発売計画、およびデジタルケーブル アドバンスドセットトップボックス(ASTB)の共同開発。

3.デジタルAV機器向けに、松下電器のAM33マイクロプロセッサーシリーズ(*1)の適切なチップへのWindowsCEの移植、ならびに松下電器による同マイクロプロセッサーの全世界への販売。

4.今後、松下電器が企業レベルでWindowsCEを使用するオプション権つきライセンス条件の策定。

 松下電器では、マイクロソフトと提携したのは、WindowsCEが組み込み用OSとして優れており、パソコン以外の製品に搭載しやすいためで、今回の提携も排他的なものではなく、今後必要な技術があれば別会社と組むことも考えているという。パソコンと電化製品とのコミュニケートは重要で、それにより技術的に高度で複雑な新しい情報家電製品が生まれる可能性に期待しているとコメントしている。

 コンシューマー向けのセットトップボックス(STB)としては、すでにソニーが販売しているWebTV端末がある。松下としては、TVでインターネットを利用できるようにすることを第1ステップとしているが、これから増加するであろうデジタル放送をにらみ、パソコンでデジタル放送を受信できるようにするのが狙い。パソコンとTVの融合という意味では、TV側からインターネットとの融合を目指したソニーとは対照的に、パソコン側からインターネットとデジタル放送を融合させることを第1に考えているようだ。

(タワーズ 濱村和恵)

・松下電器産業
 http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn980708-1/jn980708-1.html
・米マイクロソフト
 http://www.microsoft.com/presspass/press/1998/Jul98/MEIpr.htm

*1:松下のMPUには、英国のアーム社と連携している製品ラインと、同社オリジナルのラインとがある。AMシリーズは、オリジナルの主流のひとつで、8bitのAM10シリーズ、16bitのAM20シリーズ、32bitのAM30シリーズからなる。ソースプログラムのレベルではシリーズ全体で互換性がある。AM33はAM30シリーズの一環として現在開発中で、'99年前半に発表予定。DVDやセットトップボックスへの搭載を主なターゲットとした汎用MPUで、MMU(メモリ管理ユニット)を搭載するのが大きな特徴となっている。AM30シリーズの既存MPUとバイナリーレベルで互換性がある。動作周波数は未定である。

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